3d22ff38006e74738c3a940a0457c9f6_s皆さん、こんにちは。
子どもたちの問題の多くは、実は親が親らしくできないことに対する子ども達のフラストレーションや不満である場合があります。

特に、子どもが小さい頃は、自分の親が一番良いと思って、親を「理想化」していきます。
お父さんやお母さんのようになりたい!」と思うことを理想化と言います。

そんな理想的な親に気に入られるように、必要以上に「良い子」になろうと、努力し、我慢をし続けていくと、その子どもが思春期になって、いわゆる「親離れ」の時期に入ると、ただでさえ理由もなしに苛立つことが多くなったり、些細なことで親に反抗するような時期に、それまで我慢していた親に対する不満や批判が一気に表面化してきます

f4c761749b5134c685e6077db2a98d65_sしかもそれが直接、親に向けられることがあり、その一つの形が「家庭内暴力」として現れてくることがあります。

親に、直接ぶつけられない場合、怒りや不満は自分自身に向かい、自傷行為として現れてくることがあります。

今回は、ある例を取り上げながら「家庭内暴力の背景」について解説していきたいと思います。

普通の家庭で起こる家庭内暴力

65554334f2502a9f4dca5391434ae437_sA君の父親は、毎日仕事と会社の付き合いで家に帰るのが遅くなるのですが、ごくたまに日曜日になると家族そろってドライブに行ったり食事に出かけたりと、一見すると幸せそうに過ごしていました。

そういう意味では、形のうえでは健全な夫婦に見えるし、理想的な家庭にも見えました。

ところが、このA君が、小学校の高学年から中学校へ進学し、次第に大人の世界がわかるようになり、お母さんとA君の弟の三人でいると、お母さんはいろいろとお父さんへの不満をA君にもらすようになりました

そして、いつしか、お母さんとA君との間で、お父さんについてあれこれ批判するようなパターンが出来上がっていきました。

3e2cfc1c98933e8880c53f1271791313_sこのお父さんは、夫婦の愛情を中心にした夫というよりも、何事にもまじめで、仕事に一生懸命打ち込むタイプでした。

また、男同士の付き合いも大切にする方で、日曜日には、同僚とゴルフに行ったり、同業者仲間と旅行へ行ったり、忙しくしていましたが、それはこのお父さんにとって、充実感を生むものでした。

一方、妻や子ども達への家族サービスとなると、気が抜けたようになってしまうのでした

A君を含む家族に対しては、どことなく、「義理」でつとめているような態度になっていたのです。

A君が抱く父親への不満

987eca87017b5f2fa265f89558d4724a_sA君は、お父さんから受ける印象に、漠然とした不満を抱いていましたが、中学校に入るまでは意識して言葉に出せませんでした。

しかし、お母さんが、「お前たち二人は、子どもの時から、お父さんはどこへ行くのも億劫がって、日曜日になるとお母さんが頼みこんで、やっと重い腰をあげて、いやいや水族館や遊園地に連れていってくれたものよ

いつも日曜日になるとお父さんの機嫌が悪くなるのでハラハラしっぱなし。平日は、帰りも遅く、疲れ果てているし・・お母さんなんか、ただの家政婦みたいなものよ」というような話を息子たちにするようになりました。

A君の方でも、「どうして、お父さんとお母さんは愛情もないのに一緒に暮らしているのだろう?もっとお母さんを大事にすべきではないか?」というような意見を口にするようになってきました。

803647cd35396f52014ee7dd299c1a77_sあるとき、A君の中学校での成績が悪かったと言って、父親が叱りました。

それがキッカケで言い争いになり、A君がひどく興奮して、「俺が最近、勉強に集中できないのは、お母さんのことが気の毒で、お父さんとお母さんの間のことをかげで色々心配していたからだ!」と訴えました。

確かに、最近お母さんは、何となく元気がなく、このまま家で家事を続けるのか、それとも外に働きに出た方がいいのか、色々と迷っていました。

そういうお母さんの悩みをちっとも気づかないで、いい気になっているお父さんは一体どういうつもりだ!それでも、お母さんに愛情があるのか!」とA君はお父さんに食ってかかったのです。

744673f78fd7fa858750ece9204a2956_sお母さんにしてみれば、内心、息子がお父さんに対して自分の気持ちを代弁してくれることは嬉しいのですが、しかし、いざその場になると、「そんな口答えはやめなさい!」とか、「生意気なことをいって、お父さんに対して失礼でしょ!」と、お父さん側についてしまう。これでは、A君の気持ちのやり場がありません。

A君は、そのような両親の態度にますます腹を立てて、物をぶつけたりするようになりました。

親としてどうしたらいいのか

fa1e036e46bfaee36cc8fb45d39cfe18_sこのように思春期を迎えた子ども達の反抗によって、それまで隠されていて、お互いにかろうじて我慢することで何とか形だけは整っていた夫婦関係が、この時を境に深刻な危機に陥り、ついには、破たんの方向に進行してしまうことがあるのです。

こういう時こそ、お父さんとお母さんは何とか踏みとどまって、愛情を取り戻し、お互いに親としての責任を自覚し、同盟関係を修復しながら子どもに向き合って欲しいと思います。なぜなら、その姿を心から待ち望んでいるのは、子ども自身だからです。