皆さん、こんにちは。
子どもの健全な成長には、ある程度のフラストレーション(☜ 欲求不満状態)が必要です。

まだ話すことができない赤ちゃんは、「おなかが減った」とか、「おむつを替えて欲しい」など、何かして欲しい時には、泣くことでそれを要求しますね。

でも、お母さんが他の用事で手が離せず、すぐにその要求に応じてやれない時もあります。その時に、フラストレーションが生じます。

そんな時、赤ちゃんはしばらく泣いた後、クークーと鳴き声とはまた別の声を出して自分をなぐさめたり、近くにあるおもちゃに触ったりして、気を紛らわします。このようにして、フラストレーションの処理法を身に付けていくのです。

フラストレーションを何も感じないような環境では、そうした技術は必要がないので身に付きません。

しかし、そのまま成長してしまうと、自制のきかない、自己中心的で、わがままな人間になってしまう恐れがあります。

なに不自由なく育ってきたA子さん

A子さんという女性は、一人っ子としてご両親にとても大切に育てられてきました。毎日毎日ちやほやされ、可愛がられ、なに不自由なく育ちました。

「自分が欲しい。してもらいたい」と思うようなことは、両親が先を見越して、すべて与えてくれたといいます。

A子さんの成育歴の中では、フラストレーションというものをほとんど感じたことがなく、当然それを乗り越える訓練もしてはきませんでした。

大人になった現在でもその習慣が抜けず、いつも「誰かがやってくれるだろう。いつか誰かが助けてくれるだろう」と何事にも受け身的な姿勢で、かつ一方的に期待をしては、期待通りに動いてくれない相手を責め立てたり、周りの人間を自分の想いのまま操作しようとしていたのです。

しかし、自分の思うようにはいきません。当然、期待通りにもいきません。

そして、期待を裏切られていく度に、フラストレーションによって情緒が著しく不安定になってしまい、私のところに相談に来たのです。

そんなA子さんは、私との心理療法を通して、徐々にフラストレーションに圧倒されてしまうことなく、自分を保つ方法を身に着けることが出来ました。

間違ったら、治せばいい!

子どものときから困難なことや逆境を経験することは、健全な成長にとってはむしろ必要なことです。

どんなに子どもがかわいくても、度を越した過保護は、残念ながら子どもを不幸にするだけです(詳しくは「心配性の母親」を参照)。

「いい親になろう!」と努力しても、失敗をする時もありますし、怒鳴ってしまうこともあります。時々、気持ちを抑えきれず手を挙げてしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもに対して失敗することを恐れる必要はありません。間違ったら、治せばいいのです。

適度なフラストレーションは、子どもの心を強くします。

ですから、子どもの前では「完璧な人間(親)であろう!」などと意気込み過ぎず、不完全で、ありのままの自分でいるようにしてみて下さい。

そうすれば、自然と子どもはフラストレーションに耐える力が身につき、強い心を育んでいけると思います。

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