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皆さん、こんにちは。
世の中には、たくさんの恐怖症が存在し、その恐怖症に苦しんでいる方がいます。

高所恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖症、男性恐怖症、女性恐怖症、赤面恐怖症、嘔吐恐怖症、雷恐怖症、クモ恐怖症、ピエロ恐怖症、飛行機恐怖症、などなど、その数、数百種類とも言われています。

中には、よく耳にするものもあれば、まだ認知されていないものもあります。

なかなか他人には理解されにくい恐怖症もあり、自分でも「なぜこんなに怖いのか?」「自分がヘンなのでは?」とよく理解できていない場合もあります。

恐怖症とは?

恐怖症とは、ある特定の物や人、場所、状況や環境などに対して恐怖を感じることです。

ある程度なら誰でも恐怖を感じることはありますが、恐怖症になってくると、その対象に対する恐怖心がとても強くて、身体的な不調をきたしたり、日常生活に支障が出ることもあります。

不安と恐怖のあまり、体が強張って呼吸が苦しくなったり、吐き気やめまいがしたり、激しいときはパニック発作を伴ったりします。

恐怖症はどうして起こるのか?

恐怖症の一番の根っこにあるのは、「死に対する恐怖」です。

死に対する強烈な体験が関わっていることが多いと言われています。

その多くが、幼い頃に体験したものです。

自分が親から受けた虐待の記憶、または兄弟や姉妹が虐待されているのを見て、「あの子が死ぬかもしれない」と感じた恐怖、お母さんやお父さんが病気で苦しんでいるのを見て「死ぬかもしれない」と感じた恐怖などが、「死」に対する恐怖となり、感覚の中に焼きついてしまったのです。

子供たちは、意外と早い段階で「死」について考え始め、「死」をとても怖いこと・さみしいこととして理解しています。

多くの親御さんは、子供の「死」に対する疑問や不安に上手く対応しているのですが、中には、子供の訴えに上手く対応できなかったり、むしろ「死」に対する強烈なトラウマを植えつけてしまうことがあります。

「死」に対する不安が解消されないまま成長すると、「死」に対してとても敏感に感じるようになります。

大人になって体験したある特定の物や状況へ対する不安や恐怖を、「死」への恐怖と結びつけてしまい恐怖症へと発展します。

実際にその対象が怖いというよりも、「対象」と「自分の恐怖」を紐でくくりつけたようなもので、その対象が勝手に恐怖を呼び起こしてしまうのです。

これを、不安や恐怖の「置き換え」と言います。

恐怖症を抱える人の多くは、幼い頃に「死」に対する不安を口にしたり、親に質問して受け入れられた経験があまりないのではないでしょうか?

幼い頃に心に閉じ込めた「死」への恐怖が、大人になって違う形で出てきているのかもしれません。

恐怖症を抱えて苦しんでいるとしても、それはあなたのせいではありませんし、子供の頃のあなたが悪かったわけでもありません。

恐怖は防衛反応の一つ

そもそも、体が訴えている恐怖反応とは、自分を守ろうとする防衛反応です。

危険を感じると人間の体は本能的に自分を守ろうとして、様々な防衛反応を出します。

緊張したり、鼓動が早くなったり、吐き気がしたり、パニックになるのは「危険だから早く逃げろ」というサインです。

恐怖症は、あまり危険でない場合でも、体がサインをバンバン出している状態で、自分を守ろうとしている「有難い反応」であることには違いありません。

恐怖症自体は悪いことではないのですが、過度に「人に迷惑をかけてはいけない」「自分は人と違う」「みんなにできることが自分だけできない」と思い、自分の世界に閉じこもり、自分を責めて苦しむことが一番心配です。

恐怖症と上手く付き合っていくには過去の記憶の整理が必要になってきます。

私、○○恐怖症です」と胸を張って言える日がきっと来ます。

そろそろ、過去の記憶の荷下しをしてもいいかもしれませんね。

関連記事:不安のメカニズムと対処法』『感情の取扱説明書』『子どもは「死」を考える』】

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