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皆さん、こんにちは。
今回から『子育てに役立つ心理学シリーズ』をお届けします。

日常生活の中に溢れている心理学

実は、私達の生活の中には、心理学の法則が沢山溢れています

特に知識はなくても、意識していなくても、私たちが自然と使っているものも多いのです。

これらの心理学を知ることで、今までの自分の行動パターンが理解できたり子育て中の様々なシーンに賢く応用することで、よりよい関係を築くことも可能です。

たくさんある心理学の法則の中から、子育てに役立つと思われる10個を厳選して、事例を紹介しながら分かりやすく解説してみたいと思います。

興味のある方はどうぞ最後までお付き合いください。

欠点ばかりに目が行ってしまう? ハロー効果

人間関係において第一印象が大事だとよく言われますが、その根拠となるのが「ハロー効果」です。

ハロー効果とは、目立ったいいところが一つでもあれば、全体的によく見えるようになること。

また、その逆もしかりで、目立つ欠点が一つでもあれば、全体的に悪く見えることもあります。

相手に与える第一印象が良い人は欠点が目立ちにくく、第一印象が悪い人はいいところが見えにくいとも言えますね。

これを日常生活に当てはめて子どもやパートナーとの関係を振り返ってみるとどうでしょう?

ケースA: 小学校2年生の子どもの1日の報告

子ども: 「今日ね、算数のテスト50点だったよ。いっぱいミスしちゃったんだ。それとね、給食の時間にね、ボクお当番じゃないけど、お当番さんのお手伝いをしたよ!」

さて、あなたならどう反応しますか?

  • 「どうしてこんな点取るの?復習が足りないんじゃない?いつも何やってるのかノート見せてちょうだい・・・(お手伝いのことは忘れる)」
  • 「お手伝いしたの?えらかったね。でもテストのミスを次は何とかしようね」
  • 「給食当番のお手伝い、自分からやったの?すごいじゃん!へ~、どうしてやろうと思ったの?・・・(テストのことはどうでもよくなる)」

「テスト」を重視する方は「お手伝い」が目立たなく感じ「お手伝い」を重視する方は「テスト」が目立たなく感じる傾向にあるようです。

どれが正解ということではありませんが、子どもとしては、はやり「褒められる」という体験は「怒られる・追い詰められる」より単純に嬉しいものです。

どちらを重視するかは意識的に選べる

欠点ばかりに目がいってしまうと感じるのは、単にハロー効果が働いているだけで、あなたのせいではありません

ハロー効果には、欠点ばかりに目を向ける効果と良いところを目立たせる効果の両側面があります。

「良いところ」と「欠点」のどちらに意識的に目を向けるかによって、その人との関係が良いものにも悪いものにも見えてくるのです。

自分にしても、子どもにしても、パートナーにしても、どんな人間関係でも全体的に良いと捉えている方は「いいところ」を重視していて、全体的に良くないと捉えている方は「欠点」を重視しているのかもしれません。

個人的には、欠点ばかり目に付いてしまうという「欠点探し」が得意な方は、実は「いいところ探し」も得意だと思います。

方向が違うだけで、作業自体は同じですから。

どちらを選ぶかは、あなた次第ですね。

どうしても「この子」が受け入れられない? 類似性の法則

類似性とは「人は自分と似たものに好感を持つ」という心理です。

「類は友を呼ぶ」ともいい、仲の良い友人などを思い浮かべてみると、自分と価値観や考え方が似ている人が多いということはありませんか?

実はこの法則も自然と子育てに応用しているというケースが多く、そういった親御さんは、自分と同じような子どもを育てる傾向にあります。

  • 「我が家は代々○○の家系だから、お前も○○になれ!」と言い聞かせて育てる。
  • 父親が○○選手だったからという理由で、幼いうちから子どもを○○教室に入れる。
  • 母親が父親のことを悪く言うのを聞きながら育ったので、娘が父親を「汚い・くさい」と見下す。

類似性は、世代間連鎖の一環で、生き方や価値観、子育ての方法や教育についての考え方などは、親から子へと連鎖するとされる考え方です。

つまり、自分と同じような考え方を持つ子どもを育てることで、親は安心しようとするのです。

類似性にこだわりすぎると?

反面で、兄弟の中に、親と異なる性質の子どもが育ったり、夫婦関係が悪い場合に夫(妻)と同質の子どもがいると、兄弟の中でもその子だけが受け入れられないという側面も出てきてしまいます

類似性にこだわりすぎると、子どもが思春期に入り自分らしさを追及する中で、親や家庭の価値観に反発する段階をスムーズに迎えられなくなってしまい、子どもの自立に支障をきたす可能性が出てきます。

どうしても我が子が受け入れられないと感じる親は、子どもが自分と同質に育たなかったり、自分よりも夫(妻)・祖父母に似ていたりすることに不安を抱いているのかもしれません。

自分と同じような子どもを育てようとする傾向がある」と、まずは理解することで類似性にこだわり過ぎず、子ども独自の個性・特性も受け入れて、おおらかな子育てをしていきたいですね。

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