皆さん、こんにちは。
今回は、以前コメントをいただいた「孫への接し方」についてのリクエストにお答えしたいと思います。
お孫さんがいる方もまだいらっしゃらない方も、これから先のことを知ることで、今やるべきこと・必要なことが見えてくると思いますので、是非参考にしてみて下さい。
「家族」というチーム!
私は、家族というものは「スポーツチーム」のようなものだと思っていて、子どもたちを「プレーヤー」に例えるならば、お父さん・お母さんは「コーチ・監督」で、おじいちゃん・おばあちゃんは「オーナー」だと思っています。
オーナーはあまり表に出てくることはありませんが、オーナーがいなければチームは始まっていないし、チームとして存在し得ないのです。
おじいちゃん・おばあちゃんというのは、チームにとってのルーツ・創始者であり、必要不可欠なとても重要な存在ですし、オーナーのように発言に影響力があるということをまず自覚しましょう。
チームの中にもいろいろな役割があるように、家族の中にも役割があります。
孫との関係に関して一番はっきりさせておかなければならないのは、
「プレーヤー(孫)を育てるのはコーチ(子の夫婦)の役割で、オーナー(祖父母)の責任ではない」ということです。
いくらオーナーとはいえ、コーチのやり方に逐一口を出すなんて、とても失礼なことです。
オーナーの影響力を考えれば、コーチが多大に動揺することは容易に想像できるでしょう。
自分の子どもをコーチとして尊重し、困ったときや不足したとき、行き過ぎたときにフォローするだけで十分なんですね。
やはりここでも、子育て時代に培った、子どもを「信じて待つ」姿勢が問われてくるわけです。
ご自分の子育ての中で、いかに早いタイミングで「子どもを信じて待つ姿勢」を身につけることが、その後の長い人生において、自分にとっても家族にとっても意味があることかが分かると思います。
よりよいオーナーになるために!
- 子ども夫婦の育児ルールを知る
まず、あなたの子夫婦が親として、一生けんめいに育児を頑張っている中で、何を一番大事にしているのか、を確認しましょう。
こういう会話が出来るだけでも、チームとしてはきちんと機能しているということだと思います。
例え、その方針が自分たちのものと違っていたとしても、「分かった。おまえたちのやり方を応援するよ」と一言添えることで、子どもたちは自信を持って始めての育児に臨み、踏ん張ることができます。
優れたオーナーは自分が勝手に手を出したり、あれこれ口を挟む事が、どういう影響を及ぼすのかを知っているので、質問されたときや、助けを求められたときだけ、しっかり迅速に対応します(無理のない範囲で対応しましょう)。
コーチのやり方を信じて、応援しましょう。
- 「ありがとう」をたくさん言う、たくさん褒める
優れたオーナーは、しょっちゅう「ありがとう」と言い、選手やコーチを褒めまくります。
「元気にやっているようだね!」
「先週のあのプレー良かったよ!」
「ナイス、コーチ!いい選手が育っているよ、ありがとう!」という具合です。
これを孫に応用すると、
「よ~く頑張っているのが分かるよ」
「会いに来てくれて、ありがとう。おじいちゃん・おばあちゃんはうれしいよ」
「○○は、ほんとうにいい子だ。自慢の孫だよ」
「今のままで充分だよ」
更に、子ども夫婦では、
「○○(孫)がこんなに優しい子に育ったのは、あなたたちのおかげね。二人は子育てが上手いわね」
「あなたたち夫婦のおかげで、私たちみんなが元気で頑張れているわ。いつも、ありがとう」
「子や孫にいろんな体験を教えてもらって、私は幸せだわ!」
子どもや孫が、日々元気で活躍してくれることに感謝していることをできるだけ表現しましょう。
また、孫に期待して、頑張らせ向上させるのは親(あなたの子ども)の役割ですが、ありのままを受け入れ、褒めて、安心させるのは祖父母の役割だと思います。
「ありがとう」を言ったり、ありのままを受け入れ、たくさん褒めることで、孫は「受け入れられている」という感覚を得ることができます。
もちろん、あなたの子どもも同じです。
親に褒められ、祖父母に褒められて育つことほど幸せな子育てはありません。
褒める、褒められるチャンスはいくらでもあるのですが、私たちは、家族や身近な人、大事な人ほど、たくさん褒めたり、「ありがとう」と言うことが少ないように思います。
そういう姿をお手本となって子や孫に見せるのは、チームの創始者であるオーナーにぴったりな役割なのではないでしょうか。
★ 孫との関わり方 ★
- 孫の話をひたすら聞く
子ども達は日頃から、お父さんやお母さんに話を聞いてもらいたい、受け入れられたい、褒められたいという思いをいっぱい持っています。
しかし、お父さんやお母さんが忙しくて時間が取れず、充分に話を聞くことができない場合や、日頃から厳しくしつけられていて、充分に甘えさせてもらえていない場合もあります。
そんなとき、子ども達は、おじいちゃん・おばあちゃんなら話を聞いてくれるだろうと考えます。
ここで大切なのは、「そんなの当たり前だ」とか「それは違うぞ」、「○○は間違っている」などと、判断したり、「自分のときはこうだった」とアドバイスすることは避け、「そうか、そうか」「そんなことがあったのね」と孫の言い分を「ひたすら聞く」ことです。
その中から、「そーかー、○○はさみしかったんだな~」「○○なりに一生けんめいがんばったのね」と孫の「感情」を読み取ることができれば、孫は「理解してもらえた・分かってもらえた」「自分を受け入れてもらえた」という安心感を得て、より一層、おじいちゃん・おばあちゃんを信頼するようになり、自信をつけて行くことができます。
孫も、子も、勝手な判断で手を出されたり、あれこれ言われるより、話を聞いてもらうほうが余程嬉しいのです。
話をきいてくれる存在が一人いるだけで、救われることがあるのです。
- 孫の世界に入り込む
孫から親、親から祖父母と世代がずれるごとに、1つずつ感覚や価値観、常識といった社会通念がずれていくと想像してください。
そうすると、孫と祖父母の関係では2つずれることになりますね。
2つずれるということは、お互いに「もうさっぱり分からない」といってもいいかと思います。
その上、孫は日々成長し、変化しているので、「孫の世界に入るなんて、とてもついていけそうにない」と思うかもしれませんが、孫の世界に入り込むというのは、そんなに難しいことではなく、「同じ時間を過ごし、同じ体験を共有すること」だと理解して下さい。
例えば;
孫が大好きなお菓子を一緒に食べてみたり、
好きなテレビや映画を一緒に観てみたり、
流行っている歌手やアイドルの歌を聴いてみたり、
孫がはまっているゲームを一緒にやってみたり、と孫の世界を体験してみることです。
孫は、祖父母に一緒に体験してもらうことでより親近感と信頼感、安心感を感じるでしょうし、祖父母は孫の世界を知ることで、次に会うときはこのお菓子を準備しておこう、あのテレビの話をしてみよう、新しいゲームについて聞いてみようと会話が広がり、共有できる時間も体験も増えて、お互いの距離が縮まります。
祖父母といっても、最近のおじいちゃん・おばあちゃんはとても若々しくて元気ですから、孫と一緒にできることはたくさんあると思います。
「孫に教えてもらう」くらいの気持ちで、できることからやってみてはいかがでしょうか。
★ ポイントのおさらい ★
① 「家族」は「チーム」で、おじいちゃん・おばあちゃんはチームの「オーナー」です。
孫ができたということは、あなたの子どもがしっかりと命をつないだ、ということで、家族というチームがさらに大きくなり、多様になるということでもあります。
② 子や孫がおじいちゃん・おばあちゃんに求めていることは、アドバイスや昔の体験談ではなく、「話を聞いてもらうこと」です。
アドバイスしたり、昔の話をしたい気持ちも分かりますが、それはチームの外でやる方が上手く行きます。
おじいちゃんやおばあちゃんのいる子はとてもラッキーで幸せです。
親とは違う存在が近くにいて、親とは違う対応を受けることで、多様性を知り、柔軟性を身につけやすくなるからです。
たとえ離れて暮らしていても、おじいちゃん・おばあちゃんはオーナーだから、とても重要な存在だということ、それくらいいつも心は近くにいるということを忘れず、優れたオーナーとして家族というチームを支えていって下さい。
【関連記事:『子どもの褒め方』『父と母の役割』『一家の平和を望む子供①』『一家の平和を望む子供②』『一家の平和を望む子供③』】
コメント