皆さん、こんにちは。
日頃から意識している人は少ないかもしれませんが、自分や相手を信じることや人に対して安心感を抱けるということは、一つの能力です。
しかし、中にはこの能力が育たずに、心から人を信じることができず、人と一緒にいることに漠然とした不安を抱いてしまう方がいます。
「どんなに仲の良い友達でも信じることができない・・・」
「恋人同士の関係になっても疑うことしかできない・・・」
こんな苦しい思いを抱いている一方で、愛情や幸せに対する渇望が尽きることはありません。
このような傾向はどうやって形成され、その内面にはどのような心理が隠れているのでしょうか。
基本的信頼感って?
心の発達段階には、幼少期に「基本的信頼の獲得」という大事な時期があります。
これは、お母さん(保護者)との関係の中で「望んだことを満たしてもらえる」=「自分のことを大事にしてもらえた」という経験を通して少しずつ積み上げられていくものと言われています。
この時期に十分な安心感を味わって、基本的信頼感を獲得することで、人との「きずな」を築くことができるようになります。
しかし、自分が望んだことを十分に満たしてもらえず、「基本的信頼」を獲得できなかった人は、自分や他人のことを大切にすることができません。
内面(心)は成熟することなく幼いままの状態なので、些細なことでも傷つきやすく、他人を「不快なもの」や「自分の邪魔をするもの」として捉えてしまうような一面があります。
また、自分にも他人にも「価値がない」と思っていることが多いので、他人を容易に傷つけたり、いじめたりすることもあります。
不安定な人間関係?
人間関係では、表面的には仲の良さそうな関係を取り繕い、親密な関係を装うことができますが、心の底では、相手を疑っていて、本当は信じることができないのです。
相手が「いつか離れていくのではないか・・」といつも不安を抱いているので、相手が自分のことを見放さないかと常に相手を試し、裏切られる事が怖いので、自分から先に相手を裏切ってしまうこともしばしばあります。
そのため、一緒にいる仲間がコロコロと変わったり、グループの中でいじめたり、いじめられたりという関係が目まぐるしく変化したりします。
結果的に、長く安定した関係が築けないので、いつも心は寂しさでいっぱいです。
それでも、信じられる相手を探し求めて、次々と新しく知り合った人と親密になろうとしますが、一旦距離が近くなると途端に不安が襲ってきて、自ら関係を絶ってしまうこともあります。
恋愛パターンを振り返る
過去の恋愛パターンや同性の友人関係を振り返ってみるとよくわかります。
同性の友達ができない人や、恋愛遍歴を重ねる人の中には「人を信じる力」が弱いという一面が隠れていることがあります。
相手を信じることができない為、すぐに不安が襲ってきては、頻繁にメールを送ったり、半強制的に返事を書かせたり、相手のことをすべて把握しておきたいと強く束縛したりします。
さらに、安心感を得ようとして、相手から「お前のことが他の誰よりも一番だ!」「君は一番の親友だよ」「愛している」「ずっとそばにいる」などという言葉を必死に引き出そうとすることもあります。
そういった要求に対して、思うような反応が返ってこなかったり、いつもと違った様子だったり、もしくは、少しでも面倒臭そうな仕草を見せると「もう自分は必要とされていない!見捨てられた!自分には生きている価値がない!」と思い込んでしまうのです。
誰かを頼る(甘える)勇気を持ってみよう!
このように「人を信じる」という能力はパーソナリティの最も根幹をなすもので、その後の対人関係に大きな影響を与えます。
幼少期に「人を信じる力」を獲得できずに、苦しんでいる方の多くは、どんなに辛くても苦しくても、決して他人を頼ることができません。
その結果、自分一人の力で何とかしようと必死に努力を積み重ねていくことになります。
見方を変えれば、「適度に他人を頼れる人。自分一人で頑張り過ぎない人」というのは、人を信じる力があるということです。
たとえ、これまでに『人を信じる力』を獲得できていなかったからといって、決して諦める必要はありません。
今からでも遅くはありませんので、まずは苦しい時、辛い時に、勇気を出して誰かを頼ってみる経験を積み重ねてみて下さい。
その経験を通して、他人を信じる力、そして自分自身を信じる力が少しずつ身についてくると思います。
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