皆さん、こんにちは。
風邪を引いて体調の悪い時には、何より「休むことが一番の薬」になりますね。
「心の風邪」も同じです。心が元に戻るまで、ゆっくり休むのが何よりの薬になります。
ところが、「心の風邪」の場合は、体は元気なことが多いので「怠けているだけじゃないの?」と周囲に誤解され、責められてしまうことがあります。
責められてしまうと、「心の風邪」はなかなか治りません。
なぜなら、「心の風邪」の根本原因は、「自信喪失」と「マイナス感情の蓄積」だからです。責められれば、責められるほど、「自信」は快復しないばかりか「マイナス感情」がまたって、どんどん具合が悪くなってしまいます。
ですから、「心の風邪」にかかっている人には、「責めないこと」が大原則なのです。
では、心の風邪が治るには、どういったプロセスを踏んでいくのでしょうか。
次の三つの段階がありますので、参考にしていただければと思います。
それぞれの段階で対応の仕方が違いますので、お子さんが今、どの時期にいるのかをしっかり観察してその時々に合った方法で対処してください。
ステップ1: 休むことが最優先の時期
寝ていることが多く、声をかけても、なにもヤル気にならない時期です。
この時期は、「休むことが最優先」です。できるだけそっと、休ませてあげましょう。
また、がんばり屋の子ほど、この時期、体は休んでいても「心」を十分休ませることができません。
なぜかというと、休んでいると、心の中で、「こんなことくらいで、休むなんて情けない。今がんばらないと、ますますダメになる」といった「自分を責める言葉」がたくさん出てくるからです。
すると、体は休めても、心はさらに傷ついて「心の風邪」が悪化してしまいます。
こういう子には、「休む訓練」をしながら休ませてください。「休む訓練」とは、「今は休みが必要な時期なんだよ」と繰り返し子どもに言い聞かせることです。親がまず、根気強く「今は休むのが一番の仕事」「早く良くなるためには、しっかり休むことが必要」などと声をかけてあげてください。
ステップ2: エネルギーを蓄える時期
家にいながらも、自分の好きな遊びに集中できる子は、「エネルギーを蓄える時期」にいます。
この時期は、子ども自身が「楽しい!」と思うことしかできません。
なぜなら、「楽しいこと」が一番の「エネルギー源」になるからです。また、「遊び」に熱中している間は、「不安」「恐怖」「嫌なこと」から気持ちがそれるため、「一時的に気持ちが楽になる」という効果があります。
ですから、この時期は思う存分遊ばせることが、早い快復につながります。
また、この時期、あまり外に出たがらないというのも特徴の一つです。
なぜなら外に出ただけで、様々な刺激を受けて疲れてしまうからです。
ゲームやテレビ、マンガや本、パソコンなどに熱中するのも「一人遊び」を通して、一時的に現実逃避する必要があるのです。
「このままずっと引きこもってしまうんではないか?ほかの人と関われなくなってしまうんではないか?」と心配される親御さんもいますが、この時期に、しっかりとエネルギーを蓄えられれば、自然と外へ気持ちが向いていきます。
どうしても心配のようであれば、親御さんの方から歩み寄って、子どもの遊びを一緒に体験してみて下さい。
あるいは、親御さんが楽しいと思う遊びや外出先に誘ってみるのもいいでしょう。
ただし、決して、無理強いはしないというのがポイントです。子どもの意志を尊重してあげることを忘れないでください。
ステップ3: 生活復帰準備の時期
子どもが外に出始めたり、家族との関わりを自分から求めるようになったら、生活復帰準備の時期です。
この時期は、その日の心の調子によって、がんばれる量に差があります。
昨日は一日中外で過ごせたのに、翌日は部屋にこもりきりになってしまう・・・ということも少なくありません。
これは、自分に合ったペースがまだつかめていないためなんですね。
子どもによっては、「3日動いて、4日休む」子もいれば、「24時間パワー全開で動いて、6日間休む」子もいれば、「1日3時間ずつ毎日活動する」という子もいます。
動けるペースは人それぞれなので、その子に一番合う生活のペースを一緒に考えてあげてください。
また、普通の生活をするためには、自信を取り戻すことが不可欠です。
この時期は、とかく、親も子どもも焦って無理をして頑張り過ぎてダウンしてしまいやすいものです。
そのため、自信を失ってしまうと、元に逆戻りしてしまうことがあります。
この時期のポイントは、「焦らず、少しずつ」です。
この3ステップは、子どもに限ったことではなく、大人がうつ病や精神疾患などで休職した際などにも、応用できると思います。参考にしてみてください。
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