皆さん、こんにちは。
私は職業柄、不登校の子ども達と出会い、様々な語りを通して、彼らの心の叫びを日々聞かせてもらっています。
彼らの多くは、一見怠けているように見えても、心の中では誰よりも「学校に行かなくちゃいけない!このままではいけない!」と思っています。
しかし、登校する朝になるとお腹や頭が痛くなったり、気分が悪くなったり、前日に眠れないといった症状が出てきます。
すると、そういう自分は「弱くて、情けない・・・」といった気持ちが出てきてしまうのです。
親御さんの中には「昼夜逆転してしまって、ゲームばかりやって夜更かししている」と相談にお越しになる方がいらっしゃいますが、当の本人にしてみると「寝付けないからゲームでも・・・」という気持ちがあったり、朝になって学校に行く時間に「向き合いたくない」という気持ちがあったりします。
彼らにとって誰からも「学校へ行け!」と言われない夜の時間帯は、安心できるゴールデンタイムなのです。
自分について一生懸命悩んでいる
そんな彼らに私はこんなことを日々伝えるよう心がけています。
「君は今、自分について一生懸命悩み、考える大事な仕事をしているんだと思う。自分を作っていく上で、それはとても大切なことで、誰しも通る道だから心配しなくても大丈夫。一緒に考えていきましょう」と。
親御さんに対しては「不登校というのは問題ではなく、子どもが成長していくステップの一つなのではないでしょうか」とお話ししています。
成長するために必要な時間はそれぞれ違います。少し時間が必要な子もいます。
そんな子どもたちが「今を生きていくためにどのように支えていけるのか」ということを親御さんと一緒に話し合うようにしています。
人に上手に「依存」すること
1人で努力を積み重ね、頑張るという強さも大切ですが、時には上手に「依存」する(頼る)強さも大切です。
1人で頑張ってきた人は、頼り下手であり、甘え下手なところがあります。
困難や悩みにぶつかった時に「自分でなんとしなければいけない!」という気持ちが強すぎるんですね。
不登校児の多くは、こういった発想を持っている子が少なくありません。
こんなことを言ってもいいのかな?
不登校のお子さんを抱えている場合、家族や親御さんが登校させることを第一目標に置いている内は、本人は動いてくれません。
なぜなら、周りのそういった想いが強すぎると、当の本人は「自分は周りの期待に応えていないダメなやつだ!」「この苦しさは誰にもわかってもらえない・・・」という体験をすることになり、結果的には「ひきこもり」状態に追い込まれてしまいかねません。
逆説的ですが、「もしかすると、この子なりに自分で何とか解決しようとして苦しかったのかもしれない」「今は学校に行けなくても、家で元気にゆっくり過ごせていればいいのかなぁ」と家族や親御さんに、良い意味での開き直りが生まれてくると、子どもは気が楽になり、少しずつ学校への意欲が表れてきます。
子ども達は心の深いところで、「学校に行けない、他の生徒と違う自分をそのまま親に受け入れて欲しい」と願っているのです(☜こんなことは本人の口からは言えません)。
実は、不登校を抱える親御さんも子ども同様に苦しんでいて、色々な想いを誰にも話せず、心の内に留め込んでしまっている場合が少なくありません。
そんな親御さんのお話をお伺いし、一緒に考えさせていただく中で、親御さんは「こんなことを言っていいのかしら。絶対に他では言えませんが・・・」などと本音を吐露でき始めます。
こういった体験こそが、親御さんの心の中で安心感を生み出し、心身ともに良い状態で子どもに接することができるようになるのです。
必ず、新しい道が見つかる!
親御さんの中には、「一生懸命やっているけどなかなか上手くいかない。自分がやっていることは本当に正しいのだろうか?」と自信を失っている方が多いのも事実です。
また、自分たちは離れ島のようにぽつんと社会から切り離されているように感じていらっしゃる親御さんも少なくありません。
そんな親御さんが何とか私のところまで橋を作ってお越しになられたことを大切にしながら、その先には実はいろんな橋が架かっていることをお伝えします。
そして、お子さんと親御さんにとって、安全でわかりやすい橋を一緒に見つけていくことが私たち心の専門家の役目だと思っています。
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