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皆さん、こんにちは。
いつもおやこ心理相談室をご利用いただき、ありがとうございます。
不登校の背景には、さまざまな要因があります。
その一つとして、子どもが生まれ持った気質である「HSC(ひといちばい敏感な子ども)」が関わっていることがあります。
周囲の刺激を敏感に感じ取ったり、人間関係の中で様々なことを深く受け止めたりする子どもたち。学校生活の中で、周囲には気づかれにくい緊張や疲れを抱え、精いっぱい頑張っていることもあります。
もちろん、HSCだから必ず不登校になるわけではありません。
しかし、子どもが学校に行けなくなった背景を理解するとき、その子の敏感さや、内面で起きていることに目を向けることは大切です。
今回は、HSCと不登校の関係について考えながら、繊細な子どもの心を理解し、支えていくために大切なことをお伝えします。
☘ HSCとは? ひといちばい敏感な子ども
HSCとは、Highly Sensitive Childの略で、周囲の刺激や情報をひといちばい敏感に受け取る子どものことです。
HSCは病気や診断名ではなく、生まれ持った気質を表す言葉です。
HSC(ひといちばい敏感な子ども)は、人口の15〜20%程度に見られるといわれています。30人学級であれば、5〜6人にあたる計算です。
決して珍しい気質ではなく、クラスの中にも、周囲の刺激や人間関係、環境の変化を敏感に受け止めている子どもがいる可能性があります。
HSCには、次のような特徴が見られることがあります。
- 大きな音や人の多い場所など、周囲の刺激に敏感
- 相手の表情や声の調子から、気持ちの変化を察知しやすい
- 物事を深く考え、さまざまな可能性を想像する
- 失敗や人からの批判を強く気にする
- 環境の変化に敏感で、新しい場所や状況に慣れるまで時間がかかる
- 周囲の期待に応えようと、無理をして頑張ることがある
もちろん、すべての特徴が当てはまるわけではありません。
また、敏感さは、相手の気持ちを察する力や、物事を深く考える力にもつながります。
一方で、刺激の多い環境や人間関係の中では、疲れや緊張を抱えやすいことがあります。
☘ HSCの気質が、不登校の背景に関わることがある
学校は、子どもにとって様々な刺激や変化に満ちた場所です。
教室のざわめき、友だちとの関係、先生の言葉、集団での活動。大人や周囲の子どもにとっては何気ないことでも、敏感な子どもにとっては大きな負担になる場合があります。
例えば、
友だちや先生の何気ない一言を深く受け止め、いつまでも気にしてしまう。
相手の表情が少し変わっただけで、「何か悪いことをしたのかな」と不安になる。
失敗を恐れるあまり、授業中も緊張が続く。
極度の緊張で、赤面したり、動けなくなったり、声が出せなくなったりする子もいます。
こうした経験が積み重なると、学校にいること自体がつらくなってしまうことがあります。
また、HSCの子どもは、環境の変化に敏感なこともあります。
入学や進級、クラス替え、担任の先生の交代などは、子どもにとって大きな変化です。
新しい教室や人間関係に慣れるまで、周囲が思っている以上にエネルギーを使っていることがあります。
一見、問題なく学校生活を送っているように見えても、本人は緊張を抱えながら、懸命に周囲に合わせているのかもしれません。
そして、頑張り続けることが難しくなったとき、不登校という形で、心や体の限界が表れることもあります。
周囲からは「急に学校に行けなくなった」ように見えても、本人の中では、少しずつ負担が積み重なっていた可能性があるのです。
☘ HSCなら必ず不登校になるわけではない
HSCの気質を持つ子どもが、必ず不登校になるわけではありません。
同じように敏感な気質を持っていても、本人の性格や経験、家庭や学校の環境、周囲の理解や支援などによって、感じる負担や困難は異なります。
また、不登校の背景には、友人関係、学習上の困難、発達上の特性、心身の不調など、様々な要因が関係している可能性があります。
そのため、不登校の理由をHSCという気質だけで説明することはできません。
大切なのは、HSCかどうかを判断することそのものではなく、目の前の子どもが何に困り、何を感じているのかを理解しようとすることです。
☘ HSCの子どもを支える親も、繊細さを抱えていることがある
おやこ心理相談室でも、HSCに関するご相談を受ける機会が増えています。
そして、相談を通して感じるのは、ひといちばい敏感な気質を持つのは、子どもだけではないということです。
お子さんの繊細さを心配して相談に来られた保護者の方自身も、周囲の反応を敏感に受け取ったり、様々なことを深く考えたりする気質を持っていることがあります。
親子で似た気質を持っている場合、子どもの気持ちを理解しやすい一方で、子どものつらさが自分のことのように感じられ、親自身も苦しくなってしまうことがあります。
子どもが学校で傷ついた話を聞くと、親も同じように傷つく。
子どもが不安を抱えていると、親も先のことが心配になり、どうにかしてあげたいと気持ちが焦る。
また、子どもの頃に自分自身も似たような経験をしてきた保護者の場合、子どもの姿を通して、かつての自分のつらさがよみがえることもあるでしょう。
一方で、親子の気質が似ているからこそ、子どもの感じ方を理解し、気持ちに寄り添えるという面もあります。
大切なのは、親子のどちらかが悪いと考えることではありません。子どもの敏感さと、親自身の気持ちの両方に目を向け、それぞれが安心して過ごせる関わり方を探していくことです。
子どもの心を支えるためには、保護者自身の心も大切にする必要があります。
親が一人で抱え込まず、自分の気持ちを整理できる場所を持つことも、親子を支える力になるのです。
☘ その子に合った歩み方を、一緒に探す
HSCという気質は、不登校の背景にある子どもの心を理解するための、大切な手がかりの一つです。
学校に行けないという姿だけを見るのではなく、その子が何を感じ、何に困り、どのような負担を抱えてきたのか。
一人ひとりの子どもの内面に目を向けることで、これまでとは違った理解が生まれることがあります。
☘ 子どもが安心を取り戻し、自分らしい成長の道筋を見つけていけるように
おやこ心理相談室では、子ども自身の内面だけでなく、保護者の方の気持ちや親子の関係にも目を向けながら、それぞれのご家庭に合った支え方を一緒に考えていきます。
群馬県富岡市での心理相談に加え、長野県佐久市にも佐久ルームを開設し、長野県東信地域のご家庭からのご相談もお受けしています。
また、お忙しい方やお家を離れられない方、群馬・長野以外からのご相談にもオンラインで対応しています。
対面でもオンラインでも、子どもと保護者の方が安心して気持ちを話せる場所でありたいと考えています。
一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
- 参考文献
エレイン・N・アーロン著、明橋大二訳『ひといちばい敏感な子』青春出版社、2021年。





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