ここ最近になって、子ども達から(中学生~大学生)の質問が増えてきて、とてもうれしく思っています。心に関する質問や相談が気楽にできるような相談室を目指したいと思います。
その中で、「心の病について知りたい!」という要望がありましたので、少しずつ取り上げていきたいと思います。
今日は「うつ病」について簡単にわかりやすく説明していきますね。
誰でも「へこむ」ことってありますよね。子どもだって大人だって、毎日生きていれば、ヘコむことぐらいあります。ではその感覚と、うつ病の「うつ」とはどう違うんでしょう?
皆さんがヘコむとき、憂うつになる時っていうのは、たいてい理由がありますね。親に叱られたとか、テストで悪い点を取ったとか、好きな子に告白してフラれたとか。
大人にも似たようなもので、仕事に失敗したとか、失恋したとか、色々あるわけですね。でも、そんなことがあっても学校を休むことはまずないだろうし、何日かたてば立ち直れるでしょう。
だけど、うつ病の場合だと、いったん憂うつの谷間に落っこちちゃうと、これがなかなか這い上がれないんですね。1ヶ月、2カ月と月単位で憂うつな気分が続いてしまいます。子どものうつ病は、もっと短い期間で気持ちがコロコロ変わるといわれてるんだけど、大人では、そのまま半年も1年も仕事に行けなくなっちゃうことだってあるくらいです。
こういう時は、テレビを見ても、マンガを読んでも、まるで面白くないし、大好きな音楽を聴きたくもない。仲のいい友達にも会いたくないし、電話に出たり、メールを見たりするのもめんどう。人に会うのもめんどうくさい。大好物がおいしく感じない。
そんな状態が何日も続いてしまっているのが、うつ病の特徴なんですね。
心身ともにエネルギーが枯れ果ててしまって、その人全体の機能が止まってしまった状態が、病としての「うつ」なんですね。
実は、このうつ病になりやすいタイプ(性格)っていうのがあります。
簡単に言うと、あらゆる面で秩序を守る几帳面さと完璧主義、他人に気を使う性格の方です。
皆さんの中にもいるかもしれませんが、なにをするにも自分の思い通りにできないと気が済まないとか、親や先生にいわれたことはきちんと完璧にやるとか、歳のわりに先輩後輩の上下関係にうるさいとか、そういう人です。
これってよく言えば、真面目な人で自分のスタイルにこだわりがある人だけど、悪く言えば融通がきがない石頭ってことになります。人に気を使うのも悪くはないけど、どっちかっていうと、自分が嫌われたくないから、傷つきたくないからそうする、みたいな臆病さも見え隠れしているところもあります。
ところで、皆さんは子どももうつ病になると思いますか?見落とされがちですが、実は、結構増えているんですね。
子どもの場合は、うつ病の症状として、憂うつ気分のかわりにどうにもならない不安やイライラが表れてくるのが特徴です。それとやる気が出なくなったり、朝起きられなかったり、食欲もなくなったり、眠れなくなったり、そういう特徴もありますね。
こういう時は、元気がなくなって学校を休んでしまうこともあるかもしれないけど、まずはしっかりと休むことが大事なんですね。この段階で、中途半端に休んだり、頑張り続けてしまうと、必ず症状は悪化してしまいます。思い切って休むことが症状の長期化を防いでくれます。
理解のない大人なんかの場合には、「何なまけているんだ!しっかりしろ!」なんて気合いを入れられちゃうこともあるかもしれませんが、そういう時は、心の専門の先生に助け舟を出してみてください。学校なんかだとスクールカウンセラーが必ずいるので、思い切って相談してみるといいね。皆さんの力になってくれると思います。
最後に付け足していっておくと、悩んだり落ち込んだりすることと、うつっていうのはまったく違います。
それから、悩んだり落ち込んだりすることは、けっしていけないことじゃありません。人間、生きていれば、悩んだり落ち込んだりすることはごく普通にあるし、むしろそれが自分を成長させてくれるキッカケにもなったりするのです。
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