皆さん、こんにちは。
以前の投稿では、うつ病について取り上げて解説しましたが、今回はうつ病とは正反対の「そう病」について解説していきます。
止まれなくなる病気
うつ病を「動けない病気」とするなら、そう病は「止まれなくなる病気」と表現できます。ブレーキが利かずに暴走しちゃう状態のことです。
気分がいいときは、とにかくご機嫌で、幸せいっぱい、元気いっぱいな感じに見えますが、そういう時ばかりじゃなく、急に不機嫌になって怒り出すこともあります。
目立つ行動としては、やたらおしゃべりになって、ベラベラしゃべったり、あちこち電話しまくったり。話はポンポン飛んでしまうので、結局何をいいたいのかよくわからない。気持ちが大きくなって、アイディアもどんどん湧いてくるし、夜も眠らずあれこれ活動してしまいます。
うつ病では眠れないのがつらく感じられますが、そう病では眠らなくても全く問題がないくらいなのです。
他にも、マンションや外車、ネックレスや貴金属など高価な物を買ったりギャンブルに大金をつぎ込んだりして、大きな借金をつくってしまうこともあります。
でも、そう病で調子が高いうちは、本人はちっとも反省しないし、まわりが止めようとしても言うことなんてほとんど聞きません。
一人で突っ走っていきます。こうなると、家族は振り回されるばかりです。
周囲にも迷惑かけまくりなので、友だちもいなくなってしまうことさえあります。
うつ病はうつ病で大変ですが、そう病も違う意味でとても大変な病なんですね。
躁うつ病って?
そう病とうつ病は、別々の病気ではなく、セットになっていることが多いんですね。
一人の人間が、ある時は、そう状態、ある時はうつ状態になるのです。
だから、昔は「躁うつ病」と呼ぶことが主流でしたが、最近では、躁とうつのふたつの極を持っているという意味で、「双極性障害」という呼び名をしています。
双極性障害の人は、一見するとうつ状態の時とそう状態の時とでは、まるで別人のように振る舞うために、周囲は混乱してしまいます。
当の本人も自分では気持ちをうまくコントロールできない苦しさを抱えています。
心理カウンセリング(心理療法)では、躁うつ病についての知識をしっかりと理解していただき、また気分の観察を行い、気分が変動しているときの状態に気づいていけるようサポートしていきます(これを心理教育といいます)。
気分の小さな変動が本格的な躁状態やうつ状態に発展するのを未然に防ぎ、問題に対処する能力を身につけます。
気分の変動がコントロールできなくなる際の兆候を知ると、早めにサポートを得られるようになるのです。
また、躁うつ病の方が抱える「怒り」の感情についてもアプローチしていく必要があります。
この怒りの方向によって症状が異なってきます。怒りが外へ向いている時は、そう状態であり、自分に向いている状態が、うつ状態になります。
この怒りをある程度コントロールできるようになることも躁うつ病の回復には欠かせないのです。
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