皆さん、こんにちは。
今回は、久しぶりに学生たちからの質問に答えていきたいと思います。
今回のテーマは、「ひきこもり」についてです。
この「ひきこもり」という言葉は、ちょっと前までは「ヒッキー」などと言われていましたが、どうもまだ「家から一歩も出られない人」って誤解している人が多いみたいですね。
語感からそう思い込んでしまうのは仕方がないところかもしれませんが、これは典型的な誤解です。部屋にこもりきりでゲームやネット三昧っていうイメージもよくある誤解ですね。
そもそも「ひきこもり」という言葉は病名ではありません。
正式な定義はちょっと厄介ですが、とりあえず簡単にいえば、「6カ月以上、社会との関わりがない」という状態のことです。
「社会との関わりがない」というのは、仕事や学校に行っていないのはもちろん、友達や知り合い関係も全然ないって状態のことです。
なぜ、ひきこもるんだろう?
原因、というかキッカケは様々ですね。
最初は不登校、つまり学校に行かないという形でひきこもってしまう人が結構多いです。
ちなみに、不登校が一番増えるのは小学6年から中学校1年になった時だといわれています。
これは、よく「中1ギャップ」と呼ばれていますが、ここに大きな段差があって、つまずいちゃう子が多いんですね。
大きな変化の節目ではあるし、生活環境は激変するし、ちょうど思春期を迎える頃だから無理もないのかもしれません。
もちろん不登校の子だけがひきこもりになるわけではありません。
最近では就職した大人が仕事を辞めてからひきこもるケースも増えてきました。
だから恐ろしいことに、ひきこもりの平均年齢はどんどん上がっているんですね。
つまずくキッカケは、いじめとか、成績が悪いとか、受験に失敗したとか、そういう挫折経験が多いですが、なかでも多いのが「なんでひきこもったか分からない」、つまりはっきりしたキッカケが分からないケースです。
実は、キッカケはあまり重要ではありません。
むしろいったんひきこもった人が、なんとか抜け出したいと思ってもなかなか抜け出せない、そういう状況が出来上がってしまうことの方が問題なのです。
この状況を何とか早めに解決できれば、不登校からひきこもりっていう残念なスライドは起こらなくてすむわけです(不登校への対処法はこちらを参照ください)。
「人」が一番の特効薬!
長くひきこもっていると、ほとんどの人が「プライドは高いけど自信がない」という状態になってきます。
「俺(私)は病人じゃない、誰の助けもいらない!」って気持ちと、「俺(私)みたいなひきこもりは生きている意味がない・・・」っていう気持ちがあります。
そして、こういう気持ちはすごく不安定で苦しいわけですね。長く続くと被害妄想っぽくなったり、暴力的になったり、うつ状態になったりすることもあります。
そんな状態の中で、一体、どうすればいいのでしょうか。
ものすごく簡単にいえば、「自信を回復すること」です。
もっといえば、「人間関係」で自信を回復するということです。
おすすめは家族以外の人間関係を持つことです。
一緒にいて楽しい、くつろげるような、親しい関係をもつことです。
それこそ恋人ができようものなら、どんな薬よりも劇的に効きます。
自信の回復には、「人」が一番の特効薬なのです。
もし読者の皆さんがひきこもりそうになったとしても、このことだけは覚えておいて下さい。
人間関係がなくなると「生きる意味」すらも見えなくなってしまいます。
逆にいえば、どんな形であっても人とつながってさえいれば、ひきこもりはこじれずにすむってことです。
だから「誰にも頼らない強さ」なんかよりも、「時には人に甘えられる強さ」のほうを大切にして欲しいと思います。
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