皆さん、こんにちは。
「ゲーム依存症」については耳にしたことがあるかと思いますが、先日ゲーム依存症がWHO(世界保健機構)により「ゲーム障害」という精神疾患として国際的に認定され、2022年1月から発効します。
「ゲーム障害」という病名が追加され、病院で診断が下りると治療の対象になるということです。
ゲーム障害とは?
症状としては、
- ゲームをする時間や頻度などを自分で制御できない
- 日常の関心事や日々の活動よりゲームを優先させる
- 日常生活に支障をきたしてもゲームを続ける
こうした状態が12カ月(重症ならより短期間)続くと「ゲーム障害」と診断するそうです。
ゲームをやりたい気持ちがコントロールできなくなり、食事や学校・仕事がおろそかになるような状態が1年以上続いているということです。
病気認定が決まった一方で、世界的にもゲーム障害に対応できる専門機関はまだ少なく、治療や研究は今後の大きな課題だそうです。
依存症の低年齢化!
心理の専門家の中には、小さな子でもゲームやネットなど依存対象物への接触が可能な今、依存症の低年齢化が起きていて、このままでは大変な時代がくる、と警鐘を鳴らす人もいます。
ドラッグ使用者の低年齢化なども同じように問題になっています。
子供たちは自己コントロール能力が未発達な分、危険度が高く、深刻な状態に陥ることが多いので、ゲームやネットもドラッグやアルコール、ギャンブルと同じように法律で規制すべきだという考えもあるようです。
インターネットやスマートフォンが普及する中で、子供でも気軽に使えて、世界中の人と繋がることができるゲームの便利さと楽しさを「光」とするならば、ゲームの「依存性」という一面はまさに「闇」の部分ではないでしょうか。
日本でも、インターネット依存やゲーム依存の可能性がある中高生が93万人いると推測されていて、この数値は過去5年間で倍増しているそうです(日本経済新聞より)。
世界的にもゲームの人気は高まっていて、アメリカでは成人のおよそ65%が日常的にゲームをしているとの試算もあるそうです。
今回の病気認定は、こうした世界的な動きを受けてのことだと思います。
もちろん、ゲーム業界が発展することはメリットもたくさんありますし、ゲームが一概に全て「良くない」という訳ではありません。
一部のコンピューターゲーム、ビデオゲーム、モバイルゲームはeスポーツとして発展しており、たくさんの人に希望と喜びを与えています。いずれオリンピック種目になるとも言われていますね。
大切なのは、ゲームとの「付き合い方」とその人の根っこにある「心の状態を整えること」だと思います。
身近にある依存対象!?
今や、ゲームは子供たちにとって、とても身近な存在です。
軽い気持ちで始めたつもりでも、重度の依存になってしまうと、不登校・引きこもり、イライラ・怒り、禁断症状による抑うつ状態、身体的な悪影響、金銭トラブルまで出てくる可能性があります。
その身近な存在の裏にはとても危険な一面があるということを再認識し、「ゲーム」との付き合い方、子供たちの「心の状態」をもう一度考え直す時期に来ているのではないでしょうか。
おやこ心理相談室では、ゲーム依存・ネット依存についての心のケアも承っています。
他の依存症と同じように、ゲーム依存症の裏に隠された感情に焦点を当てて、ゲームに依存しなければならない理由を探っていきます。
お子さんが(またはご自分が)ゲーム依存の可能性があるかも、と心配な方は、是非お問い合わせください。
早急な対応を取ることで、状況はきっと変わります。
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