皆さん、こんにちは。
英語で言われると聞きなれない言葉に見えますが、「スチューデント・アパシー」とは、「学生の無気力症」のことを指します。
学校生活において、勉学等に適応できなくなったり、勉強そのものにやる気を見出せず無気力になってしまったり、やがてやりたくないことから現実逃避するようになる神経症の一種です。
特に留年を繰り返す大学生などに多く見られますね。
症状としては、5月のゴールデンウィーク明け、夏休みが終わった後の9月などに多く見られます。
症状が軽い場合は、勉強以外のサークル活動やアルバイトは問題なくこなせる状態ですが、重症になると周囲と関わることを避け、自宅に引きこもってしまうケースも珍しくありません。
スチューデント・アパシーの特徴
スチューデント・アパシーになる学生の特徴として、完璧主義や自己愛が強い性格である傾向が見られます。
何に対しても頑張り屋さんで、真面目に取り組みます。高校生までは成績が優秀だったという学生も多いですね。
一方、何でも完璧にやろうとするので、「ほどほどに」とか「妥協する」ということが苦手です。
「完璧にできないんだったら、最初からやらない!」という考えも持っている学生も少なくありません。
自分に対して高い目標と理想を掲げているので、それに向けて色々と努力していくことは得意ですが、彼らには遊びがありません。
趣味や娯楽などに対して、「時間のムダ。効率が悪い」と捉えていることが多く、ストレス発散法のレパートリーが少ないことも特徴の一つです。
家族の特徴としては、心配性で過保護的な母親と無言だが背中でプレッシャーをかけてくるような父親が多いようです。
親側にはそんな気はありませんが、子ども側からすると「親に厳しく育てられた。自由がなく、自分の意見はほとんど受け入れてもらえなかった」と感じていることが多いようです。
スチューデント・アパシーにどうしてなってしまうの?
完璧主義や自己愛性の強い人というのは、とにかく「失敗」や「妥協」をすることが苦手です。
何事にも「完璧にやる!」という意識が強すぎるために、「完璧でないこと」や「自分の失敗」を受け入れることができません。
失敗や挫折は人生にはつきものですが、完璧主義や自己愛性が強い人は、その「現実」を自分の中に、ありのままに受け止めることができず、自分の失敗を素直に認められないのです。
こうした体験が積み重なることで、失敗した時に自分のアイデンティティを保つことが困難になり、「こんな自分はもう駄目だ・・・何をやっても上手くいかない・・・」と無気力状態になっていくのです。
スチューデント・アパシーの克服法
まずは、無気力状態から抜け出すために、休息を取ります。
勉強など、「今やらなければいけないこと」から一旦離れることです。初期症状の場合、この「休息」を取れるかどうかがカギになります。
多くの場合、休息を取ることに罪悪感を抱くケースも多く、休んでいるようにみえても心は休んでいない場合があり、そうなってくると長期化してしまう可能性が高くなってきます。
心身共に休むことができるようになると、心にもスペースが出来始めます。
そうすると「○○してみようかな~」という気持ちが徐々に出てきます。体を動かすことでもいいし、読書や趣味でも構いません。
まずは行動してみましょう。利害損得を考えてから行動するクセがあるので、考える前に行動することが大切です。
それと同時に「失敗や妥協は悪いことではない」ということを知ることも大切です。
そして、完璧ではない「今」の自分を認められるようになることも克服するためには欠かせません。
この症状になる人は、自分がスチューデント・アパシー(無気力症)であることに気付いていないことが大半です。
また、周りから単なる怠け者であると誤解されてしまうことも多いです。家族を含めた、周囲の人は誤った判断をしないよう注意する必要があります。
もし1ヶ月以上、無気力状態が続くようであれば、医療機関への受診や相談室でのカウンセリングを活用してみるとより改善は早いでしょう。
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- スチューデント・アパシー, 完璧主義, 無気力症候群
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