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皆さん、こんにちは。
インターネットによって、私達は「自由」に様々な情報にアクセスし、また発信することができるようになりました

しかし、何かを得ることは、何かを失うことでもあります。私達は、ネットが普及することで何かを失ってもいるはずですが、それはあまり意識されていません。

今回は、ネットの普及により「私たちが失っているものに焦点を当て、詳しく見ていきたいと思います。

☘ 検索こそすべて!

「ググる」という言葉がありますが、分からないことをネットで検索するのは、もはや日常茶飯事で、何も特別なことではありません。

検索は、人に聞いたり、本で調べたりするよりも、圧倒的に速く「答え」にたどり着けます

問題は、これが行き過ぎると「すべては検索で答えを見つけることができる!」と思ってしまいがちなことです。

そうなると、答えが見つからない時、「答がないから」ではなく、「検索の仕方が悪いから」という風に考えがちです。

こうなると、検索すること自体を諦めきれなくなり、そこに費やす時間が膨大になってしまうこともあるでしょう。

☘ あなたへのおすすめ?

ネットビジネスでは、「あなたへのおすすめ」というものがあります。

ネットで「おすすめ」されて、買う気もなかったものをポチってしまった、特に見たいと思っていなかった作品を見てしまった、という経験のひとつやふたつは多くの人が持っているでしょう。

この「あなたへのおすすめ」は、もちろん「あなた」という人のことを考えてお勧めされたわけではありません。

「あなた」が購入したり、閲覧したりした商品や作品の情報から、それと関連性の高いものが自動的・機械的に表示されているにすぎません。

そして、私たちの多くは、この「あなたへのおすすめ」に従って動いてしまいます。そうなると、もはや私たちの行動は誰の欲望によるものなのか、よく分からなくなってしまうのです

☘ 待つことは悪!

ネットの普及により「コスパ」も上がり、「時間」がかからないことが良しとされるようになりました。

逆を言えば、時間がかかり「待つ」ということは、悪い事という認識も広まってきています。

さらにそうした認識は「悩むことは無意味」という考えにも繋がっているのかもしれません。

なぜなら、悩むくらいならどこかに落ちているはずの「答え」を探して検索しろ!と考える方が多いからです。

☘ 答えのない問い?

心理カウンセリングや心理療法では、ご相談にお越しになる皆様が自分自身と向き合うことをサポートさせていただきます。

皆さんが抱える悩みには、皆さんの数だけ「答え」があり、唯一絶対の解決策は存在しません

つまり、「答え」はネットに落ちていないのです。

そうした「答え」のない問いに、じっくりと時間をかけて向き合っていきます

その作業を通して、自分で考えること、「自分は一体何を望んでいるのか?」を理解できるようになり、自分の欲望に少しずつ出会えることが出来るようになります

この作業は、決して楽しいものばかりではありませんので、苦しい時や辛い時に一緒に歩んでくれる伴奏者が必要になります。

共に取り組んでいく中で、「自分が何を考えているのか?心の深い所で、一体何を望んでいるのか?」が見えてくることで、自分の人生をより主体的に生きていけるようになってくるのです。

 

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