皆さん、こんにちは。
学校に無理難題を突き付けてきたり、ちょっとしたことで猛抗議をしたりする親のことを「モンスターペアレント」と言いますが、今回は彼らの心理について解説をしていきたいと思います。
悪いのは私じゃない!
まず、彼らに認められる傾向として、「他責」という言葉から説明したいと思います。
他責とは、自分や自分の周りに起きていることを、「他人や周囲の環境のせいにする」ということです。
反対に自分のせいにしてしまうことを「自責」と言います。自責的な人というのは、学校や会社、家庭でうまくいかないことがあると、「自分が悪いせいだ」と自分を責めてしまいます。
周囲に気配りが出来て責任感が強いのですが、その反面うつ病にかかりやすいのです。
では他責的な人はうつ病にはならないのかというと、今度は一転、「新型うつ」と呼ばれる病気にかかりやすいんですね(詳しくは「新型うつ病ってな~に?」)。
新型うつ病の方に認められる特徴は、休日は元気、気分の浮き沈みが激しい、ささいな一言で傷つく、過食や過眠をしがち、などです。
この人たちの最大の特徴は、自分の病気を「他人のせいにする」ことです。たとえば、「上司とそりが合わない」「会社の仕事が面白くない」というふうに、その原因を自分以外に見つけようとすることです。
うつ病とは言え、自分の好きな仕事をしている時や、休日どこかに遊びに行くときなどは元気になるので、世間の人たちから「これは怠け者とどう違うんだ?」と思われてしまうこともあります。
自分を守るために他人を責める(攻撃する)
では、どうして他責に走ってしまうのでしょうか?
それは「すごい自分」という自己愛イメージと現実とのギャップを、自分では埋められないために、他人のせいにすることで万能感を維持しようとするからです。
要は、自分自身に対して高い幻想を抱いているために、その幻想に見合わないことは、全て他人のせいにするということです。
モンスターペアレントというのはまさに、こうした他責的な特徴が認められる人たちの代表格です。
学校で成績が伸びない、いじめられている。このあたりまでは学校の責任を問うてもおかしくはないかもしれませんが、モンスターペアレントというのは、自分の子どもがいじめる側に立っていたために先生に注意されたとしても「うちの子は悪くない!絶対にそんなことはしない!」、「家の子を疑う先生は何様なの!」と、やはり他に責任を求めようとします。
さらに、「修学旅行の記念写真でうちの子が真ん中にいないから撮りなおしてきて!」だとか、「学芸会ではうちの子を絶対に主役にしてください!」などと平気で無理な要求を押し付けようとします。
こういう場合、親たちの万能感は自分の子どもを対象としています。
「自分はすごい」を「うちの子はすごい」と置き換えているんですね。
「うちの子は勉強も運動も出来て、明るく活発で友達も多く、先生の言うことをしっかり聞く」そんな完璧な子ども、「パーフェクトチャイルド」の幻想を抱いているために、自分の沿わない指導を受けると、「それは学校や担任が悪い!」と他責の観点で自分の子どもの万能感を保とうとするのです。
時にその攻撃性は学校や担任に向かいます。担任には昼夜問わず電話をかけ、「ああだこうだ」とクレームをつける。そして自分の子どもの勉強や学校生活がうまくいかないと、校長に担任を変えるよう直訴したり、ときには教育委員会に直訴したりもします。
自分のやることは何でも許される!
数年前からは、病院で医者や看護師に暴言を吐いたり暴力を振るったりする「モンスターペイシェント」の問題も増えています。いずれも他責的であるがゆえに、相手を攻撃し、自分の万能感を満たそうとするのです。
また、彼らには「自分は被害者だ」という被害者意識と被害者がゆえに「自分のやることは何でも許される」という強い思い込みがあります。
これは、幼児の甘えと何ら変わりないことですが、大人になってもその自覚が持てない方がいるのです。
こういった方々へ関わる際には、あるポイントを押さえておく必要がありますが、そのポイントについては、今後の投稿で詳しく解説していきたいと思います。
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- モンスターペアレント, 他責, 幼児的万能感, 幼児的自己愛, 自己愛的憤怒
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