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皆さん、こんにちは。
自分を否定的にみることは、ほどほどであれば控えめさや謙虚さにつながり、美徳や長所となります。

あくまでも「ほどほど」であればの話ですが。

しかし、度が過ぎて「自分は愛される価値も生きている価値もないダメ人間だ!」という強い自己否定感にとらわれてしまうと、精神的に苦しくなってしまい、様々な心の病の根っこが芽生え始めてしまいます

当たり前のことですが、自己否定が強い人は、自分を大切にすることができません

知らず知らずのうちに、自分を傷つけたり、損なったりするようなことばかりをしてしまいます。もちろん、自分をないがしろにするような相手とばかりにつながりを求めることもあります。

また、自分を傷つけていることを自覚している場合もあれば、まったく気づかずに自分自身を傷つけてしまっている場合も少なくありません。

友人関係と自己否定感?

自分は愛されている」という安心感(☜『根拠のない自信』を参照)を抱くことができないと、「私はダメだ・・」という自己否定感を抱きやすくなってしまいます。

この「自己否定感の強さ」は、友人関係にも顕著に表れてくることがあります。

「友情」というものは、本来「何の代償も求めない対等な関係」ですが、自己否定感を抱えた人では、そうした「対等な関係」を築くことが難しいのです。

何の代償もなく、自分のことを思いやってもらえる、優しくしてもらえるということが実感できないので、常に相手に物やお金といった「代償」を支払おうとしてしまいます

心のどこかでは「そのままの自分では相手にしてもらえない」と思っているので、相手に物やお金を与えることで、自分への関心をつなぎとめようとするのです。

ですから、絶えずプレゼントを渡したり、食事をごちそうしたりと必死になります。

その結果、対等な関係で付き合いたいと思っている人は、むしろ付き合いにくく感じて、離れて行ってしまうことがあるのです。

それどころか、周囲には物やお金目当ての人たちだけが残ってしまうのです。

友情や愛情を、物やお金で買おうとしたばかりに、本当の友情や愛情を遠ざけてしまうという結末になってしまうのです。

物をあげたのに何も返してくれない!

実は、こうした心理の芽は、幼児期後期から小学校低学年頃に、すでに認められます。

安心感がない子どもは、おもちゃや自分の持ち物を周囲に与えることで気に入られようとします。

物をあげたのに、何も返してくれない!」などと訴え、大騒ぎを起こす子どもたちの中には、こういった心理が隠れています。

彼らは、成長してからも周囲の顔色に敏感で、対等な関係が築けず、一方的に物や金銭を差し出すことで、対人関係を維持しようとする行動パターンが残っていたりするのです。

このタイプの子どもが思春期・青年期を迎え、異性との関係がからんでくると、特有の対人関係の持ち方をすることがあります。

典型的なのは、自分の身体を贈り物代わりに与えることで、相手の関心を自分に向けようとすることです。

肉体関係を求められると、相手のことを愛しているわけでもないのに、拒否することができないのです。

結果的に自分を粗末に扱うような相手としかお付き合いすることができず、内心では「ほ~ら、やっぱり私はダメでクズな人間なのよ!」という信念を証明する形になってしまうのです。

これでは、幸せという人生をいくら望んでいたとしても、決して手に届くことはありません。

いつもいつも外れクジばかり引いてしまったり、不毛なパターンを繰り返してしまっている方は、まずは自分いじめに気づくこと、そしてその度合いを少しずつ低くしてあげる必要があります。

一人で取り組むことが難しい方、どうしていいのか分からない方は、是非、おやこ心理相談室へお問合せ下さい。

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