皆さん、こんにちは。
子どもの親に対する暴力というのは、年々増加傾向にあると言われています。
特に、子どもが不登校であったり、引きこもりで家に居る時間が長い場合に、家庭という密室空間で起こることが多いようです。
子どもの年齢が小学生くらいであれば、何とか対応が出来るかもしれませんが、中学生くらいになって体が大きくなると手に負えなくなります。
親が力で抑えるのにも限界があり、そもそも根本的な解決にはなりません。
そこで今回は、子どもの暴力に対する対処法について解説していきたいと思います(『子どもが起こす家庭内暴力の心理』はこちら)。
最初が肝心!毅然とした態度で!
まず、子どもが親に暴力を振るう場合に、親として何をしなければいけないかというと、年齢問わずどんな子どもの暴力に対しても「それはやめなさい」、「いけません」と、毅然とした態度でハッキリ伝えることです。
最初の段階でこの対応を怠ると、子どもの退行行動(赤ちゃん返り)が激しくなり、暴力がエスカレートしていくことになります。
子どもは、親に暴言や暴力を振るった後、親がどういった反応をするのか、よく観察しています。
暴力に対して、一度でもなあなあに対応してしまうと、子どもは自分の言動が許されると思い、暴力行為がエスカレートしていきます。
一方で、子どもは親に暴力を振るっている自分に対して、強い罪悪感を抱くことになります。この罪悪感がさらなる暴力へと駆り立てて行くことになります。
では、どうやって暴力がいけないということを子どもに伝えていくのかということですが、まず絶対的に言わなければいけないことは「あなたに痛めつけられると、親としての愛情をあなたに持ち続けることが難しくなる。だから今後一切暴力は振るわないで欲しい」ということです。
次に、「暴力を振るうのではなくて、暴力に訴えたくなる気持ちや考えを、言葉で伝えて欲しい。すぐには出来ないかもしれないけど、お父さん・お母さんも出来る限り協力する」と伝えることが大切です。
被害者にならない・脅しにも乗らない
よくあるケースですが、学校に子どもが行かなくなり、昼夜逆転が起きて、子どもが夜中ずっと起きっぱなしだというような場合、親が寝る頃になって、急に子どもが母親に向かって「これからコンビニ行ってあれ買って来い!これ買ってこい!」と言い始めることがあります。
そういった家族の都合を考えずに一方的に要求を突き付けてくるという行為も暴力のうちに入りますが、親が要求に応じなかったり、嫌がる態度を示すと「この野郎!」と言って「暴力を振るうぞ!」というメッセージで親を脅してきます。
母親にしてみれば、ついつい「痛めつけられるくらいだったら買いに行ってあげた方がまだマシだ」ということで、深夜にアイスクリームやジュースを買いに行ってしまうというケースは決して珍しくありません。
こういった場合、子どもからの暴力や脅しには乗らないというのが基本になります。
具体的にはどうすれば良いのかということですが、「明日の生活に響くから、買ってくるのは嫌だ。買ってきて欲しいものがあるんだったら、昼間の内に言っておくこと。今はこれ以上お互いにやめておきましょう」ということを淡々と伝えて下さい。
振り回されない
ここでのポイントは、お母さんのペースは決して崩さないということです。もっと簡単に言えば、子どもの言動に振り回されないということですね。
お母さんにはお母さんの生活があり、たとえ子どもが無理難題を押し付けてきたとしても、あくまでもお母さんの日常生活範囲内で対応できるものは対応すればいいし、難しいものは素直に断ることも大切です。
こういったやり取りを通して、子どもは「自他の境界線を引く」「欲求不満耐性を鍛える」という作業を身に付けていくことになります。
次回は、「子どもが起こす様々な問題行動への対処法」と「親御さん自身の身の安全の確保の仕方」について解説していきたいと思います。
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