皆さん、こんにちは。
前回の劣等感に引き続き、今回は『罪悪感』について解説していきます。
罪悪感とは、罪の意識、つまり、「自分が悪い」と自分を責める気持ちのことです。
自分のミスや過失に対して罪悪感を持つこと自体は、プラスの側面もあるので、特に問題ではありませんが、自分の存在や親に対して罪悪感を抱いているケースはとても心配です。
強い罪悪感を抱き苦しむ子供たちの多くは、同時に家庭環境の中での心配や不安を抱えていることがあります。
罪悪感が育つ背景
子どもは本来、「自分らしく生きたい」、「親から離れて自立したい」という本能を持っています。
動物の世界でもそうですが、子どもたちはある時期が来たら、生きていくために母親から離れて自立する必要があるのです。
これらの本能的な感情は、通常ならば、思春期の頃から芽生え始めます。
しかし、幼い頃から全て親の言う通りに頑張ってきた真面目で優しい子どもは、いざ、思春期に入ると、今までの親中心だった自分と、「自立したい」という本能との間で葛藤することになります。
思春期に葛藤することはとても自然なことで、自分を見つける良いチャンスなのですが、両親の不仲や家族間の問題で家庭が不安定だったりすると、子どもは母親を守ろうと必死になり、母親から離れることや、自分らしさを見つけることに強い罪悪感を抱いてしまうのです。
「自分らしく生きることは母親の期待を裏切る良くない事」であり、「そんな良くないことをしようとする自分は悪い子だ」と思い込むようになるのです。
そうして真面目に母親中心に生きてきたからこそ、自分自身が育たなかったのですが、思春期を過ぎて青年期に入ると、今度は親が「いい加減自立しろ」「私たちが死んだらどうして生きていくんだ」と言い出します。
この大きな矛盾の中で、罪悪感は様々な問題行動へと移っていくのです。
罪悪感の影響?内から外へ!
罪悪感は、最初は「自分が悪い」という内向きの力なのですが、青年期ごろから、親の支配が強すぎて自己が育たなかったことに対する怒り・憎悪へと変化して行き、家庭内暴力や被害妄想といった外向きの力になっていきます。
相手を責めて、攻撃したり、極度に「自分は悪くない」と訴えるようになります。
その結果、どこにいても健全な人間関係が築けずに苦労することになります。
ここまで行ってしまう前に、親として、子どもを思い通りに育てようとしてないか、夫婦関係の犠牲になってないか、一度振り返ってみるといいかもしれません。
子供達はいずれ社会へ返すもの
子どもたちは本来、「社会へ返すべき授かりもの」ですね。
いくら親でも、子どもたちが社会へ戻り生き抜いていくために必要な「自分らしさ」を探す権利を奪うことはできません。
いずれ、手痛いしっぺ返しが待っています。
劣等感にしろ、罪悪感にしろ、一度問題が表面化してしまった場合、家庭内での解決は難しいことが多いようです。
出口が見えずお困りの方は、是非当相談室へご連絡ください。
問題が深刻化する前の振り返り作業も、一緒に進めていくことができます。
お子様の健全な自立とご夫婦の良好な関係をサポートさせていただきます。
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