みなさん、こんにちは。
日頃から、劣等感と罪悪感だけは子ども達に持っていてほしくないと感じています。
そう思わざるを得ないほど、劣等感や罪悪感を持っている子どもたちが多いということかもしれません。
この二つは似て非なるもの。
今回は、これらの仕組みと影響をご紹介したいと思います。
劣等感とは・・・
劣等感とは、「自分が劣っている」と感じる気持ちです。
学童期の集団生活や、思春期など、成長過程で否応なしに他人と自分を比べるという段階が自然と訪れます。
子ども自身が他人を意識するようになり、他者との関係の中で自分を確立する必要があるので、発達においても、人と比べることはある程度必要なことでもあります。
発達に必要な比較は自然と訪れてくるので、本来はこれで充分なのですが、小さい頃から親に他人や兄弟と比べられてきた子は、早い段階で必要以上の劣等感を抱くことになりかねません。
強すぎる劣等感は、自分の存在を否定し、人間関係に苦痛を与えることになりかねません。
強い劣等感の影響?
幼くして劣等感が根付いてきた子は、思春期に入ると、人に気を遣いすぎて疲れたり、NOが言えなかったり、自分の気持ちが素直に言えなかったりします。
また、他人の目が気になり、必要以上に成績や部活動での功績、容姿や振る舞いを気にし始めたりします。
その結果、人間関係でのトラブルに巻き込まれたり、摂食障害や場面緘黙(人前で話せない)、不登校、ゲーム・スマホ依存などの症状を訴え始めることがあります。
強い劣等感は、内向的な力となり、自分を責めはじめ「自分が悪い」と思い込み、外の社会から離れて、内にこもるように働きます。
「引きこもり」などがこれにあたりますね。実は、引きこもっている人達は、これまで沢山人に気を使って生きてきているので、とても疲れている状態とも言えるでしょう。
劣等感を育てやすい親
実は、強い劣等感に苦しむ子どもを持つお母さんの中には「人と比べてきたつもりはない」とおっしゃる方も少なくありません。
表立って「比べている」という行動はなくても、子どもたちは敏感なので、日々の母親の言動や振る舞いから無言のメッセージとして「比べられている」と受け取ることがあるようです。
例えば、
「○○ちゃん(よその子)はテストでいつもいい点を取っているんだってね」
「○○くんは1年生なのに試合のメンバーに選ばれてすごいわね~」
「クラスのほとんどの子は○○ができるんだって!」
と、親からすると比べていないように聞こえますが、このようなフレーズをいつもいつも聞かされていたとしたら、子どもはどう思うでしょうか。
「○○ちゃんはいい点だけど、あなたは・・・」
「○○くんは、いつもメンバーだけど、あなたは・・・」
「普通の子はみんなできるんだから、あなたもこれくらいできて当然でしょ!」
という無言のメッセージを受け取り続けて生活していることになるのではないでしょうか。
親からすれば比較しているつもりはかったとしても、子どもにはそうは映りませんね。
親の認識と子どもの認識の間には大きな隔たりがあるということを理解しておいていただきたいと思います。
劣等感の強い親!?
また、親自身が強い劣等感を持っている場合も気をつけなければなりません。
自分が親として、人より劣っているという意識を持っている時、子どもも劣っているだろうと思い込みやすいので、不必要な心配や手出し・口出しが増えてしまいます。
自分が叶えられなかったことを子どもに求めたり、自分がしてきた苦労を子どもにさせたくないと望むあまり、
「(○○を目指すんだから)それくらいできて当然でしょ」
「将来は、○○(職業)になったら、安定していていいわよ」
「(私が苦手だったから)この科目だけはしっかりやりなさい!」
「クラスの中で○番以上じゃなきゃ意味がない」などと子どもに言い出します。
そういった高い意識を持っていることは悪いことではありませんが、親の想いが先走りすぎると子どもはありのままの自分を認めてもらうよりも、常に誰かと比較され、息苦しさと強い劣等感を抱えることになりかねません。
まったく人と比べないというのも難しいのですが、子どもの様子を良く見て、判断してほしいと思います。
次回は罪悪感についてご紹介いたします。
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