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皆さん、こんにちは。
いつもおやこ心理相談室をご利用いただき、ありがとうございます。

少し前から、若い女性のホスト依存が問題視されていますが、それと同様に最近取りざたされているのが、闇バイトの問題です(性別は関係ありません)。

以前、ホスト依存の記事を書いた(ホストに大金を費やす少女たちの心理:ホス狂は立派な依存症?参照)ので、今回は闇バイトに手を出す子どもたちの心理について解説していきたいと思います。

☘ 闇バイトとは?

皆さんもニュースで何度か耳にしたことがあるかと思いますが、闇バイトとは、SNSやインターネット掲示板などで、短時間で高収入が得られるなど甘い言葉で募集しているバイトのことです。

応募してしまうと、詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯など、犯罪組織の手先として利用され犯罪者となってしまいます。(警視庁のホームページより

最近では、闇バイトに応募した男子高校生が、ミャンマーに連れていかれて、特殊詐欺に加担させられたというニュースがありました。

ネットゲームで知り合った人に、「海外で働かないか?」と誘われ、闇バイトとは知らずに渡航して、詐欺に加担させられたようです。(NHKニュース

海外には、他にも沢山の詐欺拠点があり、日本人を含め被害者がいるようで、このニュースは氷山の一角にすぎません

☘ 闇バイトに手を出す心理!?

生活が苦しいわけではなく、闇バイトが「犯罪」という認識も持ちつつ、それでも闇バイトに巻き込まれてしまうケースも多いようです。

闇バイトの危険性がこれほど注意喚起されている中で、なぜ子どもたちは闇バイトに手を出してしまうのでしょうか

これらの子どもたちの多くは、家庭内ではいつも我慢していて、親に甘えたり、受け入れてもらった経験が少なく、さみしい気持ちを抱えてきた子がほとんどだろうと推察されます。

本当は親に甘えたいという気持ちを、「お金」で満たそうとしているのです。

「本当は親に甘えたい」という依存欲求を代理物で満たそうとする心理を「代理欲求」と言います。

親に「認めてもらいたい!」という思いが、「もっと立派になって見返してやりたい!(立派になれば認めてもらえるかも?)」という思いにつながり、そのために「手っ取り早くお金を稼ぎたい」という発想につながったとしても不思議ありません。

そこに、甘い言葉とおいしい儲け話でつけこまれると、10代20代の若者が抗うことは難しいのかもしれません。

常日頃、我慢している子も多く、その結果、自分のことが分からなくなっていき、「自分には価値がない。どうなってもいい」と思っている子も少なくありません。

加えて、これらの子どもたちは、大抵二つの顔を持っていて、家や学校では「手のかからない良い子・完璧にできる子」を演じています。

この「二面性」が問題を隠す隠れみのとなり、周囲に問題を悟らせないようにします。

本来は「親に甘えたい」という思いがあっても、「できる子」としてのプライドの高さから、この依存欲求を心の中から完全に排除して、自分一人で完璧にできるよう思い込み、「自分は大丈夫」と振舞います

「親に見放されたくない!」「親に迷惑はかけられない!」という思いが、いつしか「自分一人でなんとかしなきゃ!」という発想に変わり、本当はいけないことだと分かっていても、誰にも相談できません

その結果、知らず知らずのうちに、負のスパイラルから抜け出せなくなり、気が付いたら重大な犯罪を犯すことになるのです。

「代理欲求」と「二面性」は依存症のキーワードです。

ホスト問題同様に、闇バイトの問題も「依存症」として捉えることができます。

「依存症」としての理解のもとで、この問題に介入していく必要があるのかもしれません。

☘ 気軽に相談できる家族関係を!

この問題の一番の問題は、「誰にも相談できない」ことです。

高校生や大学生くらいの年齢では、子どもと大人の境目にいて、一人では適切な判断ができないこともあります

自分で判断できないことは、決して恥ずかしいことではありません。

おいしい話を持ち掛けられた際に、すぐに決断せず家族と相談してみます!」と一旦先延ばしにすることで、おおよその被害が防げます。

このフレーズの後に、「もう大学生なのに自分で決められないのは恥ずかしいよ」みたいなことを言って煽られるかもしれませんが、それでも「はい。それでも家族と話し合います。」と毅然とした態度を取ると相手も諦めざるを得ません。

子どものことを分かっているつもりで、「もう高校生だから、大学生だから」とすべてを任せきりにするのではなく、適度な距離感を保ちつつ、困ったときに相談できる親子関係を築いておくことがとても大切なのです。

なぜなら、悪い人からしてみれば、ターゲットの家族関係の良し悪しも、重要な判断基準になりえるからです。

☘ 人生をかけた子ども達のSOS

闇バイトしかり、ホストしかり、不登校しかり、引きこもりしかり、その他依存症・問題行動も全てしかり。

これら、すべての行動は、子どもたちからの体を張ったSOSなのだと思えてなりません。

問題を起こすことで、家族が壊れていくのを必死に防ごうとしているのでしょう。

子どもたちの世界で様々な問題が発生し増加しているのは、それだけ現代における家族の絆が失われつつあり、そのことに対して子どもたちがより敏感に危機感を感じているからなのかもしれません。

孤独を感じている子ども達が増えています。
子どもは寂しいと、簡単に犯罪に利用されてしまいます。
子どもたちの寂しさから目を背けないでいただきたいと思います。

親として、どうしていいかわからない時は、是非、人を頼ってください。
愛するわが子を守るためにも、勇気を持って、誰かに相談してください。

参考文献NHKスペシャル「わが子が“闇バイト”に手を染めるとき」

この特集がすごく良かったので、この問題に興味がある方は、一度目を通してみてください。

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