皆さん、こんにちは。
今回は思春期のいじめシリーズ第3回『いじめの3つの特徴』です。
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思春期のいじめ3つの特徴
幼い頃と違い、思春期になってくるといじめも複雑になってきます。
① 組織化
子ども達が成長してくると、いじめも組織化してきて、一定の人数が関わることがあります。
友達関係がある程度固まってくる時期なので、似た者同士のグループができたり、仲間同士の結束が強くなってきます。
グループ内でいじめが起きることもありますが、グループ全体でグループ外の一人をいじめるということも想定できます。
その場合は、グループ全員で口裏を合わせたり、人員がそれぞれ役割を持っていたりと、組織化していくことも考えられます。
また,学校の中に「スクールカースト」と呼ばれる目に見えない階級制度が存在し、その階級全体がいじめたり、いじめられたりする対象になることもあります。(「スクールカーストとは?」参照)
② SNS・ネットを使う
一番大きな変化は、タブレットやスマートフォン、ゲーム機を持つ子が増え、ネットにアクセスできる環境が整うことで、SNSなど人とつながる会話ツールを使ったいわゆる「ネットいじめ」が出てくることです。
ネット上で悪口や写真を拡散したり、会話グループ全体で無視したり、拒否したり、仲間はずれにしたりします。
また、それまでは普通に仲良く接していたのに、ネット上のやりとりの些細な誤解や間違った受け取り方などがきっかけになりいじめに発展するケースもあります。
ネット上のやりとりでは、会話の細かいニュアンスや感情が伝わりにくいのです。
ネットに書き込むという行為は自分の正体を隠すこともでき、直接相手に言うよりも罪悪感も少ないので、ひどい事や傷つける内容を安易に書いてしまいます。
それゆえに、いじめを受ける側はより深く傷つき、より深く悲しむことになります。
③ 見えにくい
人前でのケンカやあからさまな無視などはせず、大人の前では「仲良し」を偽り、裏では集団でいじめ、ネット上でひどい扱いをしているという具合に、他人にばれないように色んな工夫をして、被害者を苦しめていきます。
また、いじめに気が付いている子どもがいても、「ばらしたら次はお前だ」というメッセージを暗に出すので、「次は自分がいじめられるかも」という不安から、関わらないようにする子も多いので、先生や親の耳に入りづらいのです。
このように、狡猾で陰湿に変化したいじめは、他人には見えにくく、闇に潜みながら進行していくので、いじめ被害に、親や先生が気付かないことも珍しくありません。
子ども達の「心の根っこ」を手放さない
思春期のいじめの大きな特徴は、組織化・ネット化・不可視化です。
大人たちがいじめを見つけようと躍起になっている現状とは対照に、子どものいじめはどんどん見えにくい形に変化しているような気がします。
それを、現在のテクノロジーが助長しているのかもしれません。
いくら技術が進歩しても、人の心理の基本的なところは変わりませんね。
いじめを摘発して、指導することも大切ですが、子ども達の「心の根っこ」をいつまでも手放さないように心がけたいものです。
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