皆さん、こんにちは。
今回から「思春期のいじめ」について考えてみたいと思います。
「いじめ」というトピックは、心理面から見ても複雑で、情報量も多いので、シリーズでお届けしたいと思います。
子ども達だけでなく大人にも、一緒に考えていただきたい内容です。
第1回目は、『いじめが与える心理的影響』についてです。
(シリーズ配信は不定期です。オンタイムで読みたい方は無料配信サービスをご利用下さい)
いじめが被害者に与える心理的影響
① 自己肯定感を奪う
いじめのような壮絶な体験は、被害を受けた子どもの健全な自己肯定感を奪ってしまうことがあります。
いじめ被害にあった子どもは、ただでさえ、心に深い傷を受けていて、大きな悲しみを感じています。
そして、「どうしてこんなことが起こるのだろう?」と考える中で、加害者を責めることよりも、まず「自分が何かしたから?自分が悪かったから?」と自分の中に原因を探そうとします。
子ども達はまだ「自分と相手との境界線」が引けないので、理解できないことが起こると、それが「相手の事情」とは考えられずに、自然と自分の中に原因を探してしまうのです。(「子ども達は、まず自分を責めることから始まる」参照)
この「自分を責める」という心理は、特に不自然なことではありません。
理不尽にひどいことをされて、傷つき悲しんでいても、自分を責めることしかできないでいる中、さらに家族や他の人から「お前にも悪いところがある」などと言われると、「自分がダメな人間だからいじめられるんだ」という間違った思い込みを持ってしまうことがあります。
その結果、「自分はこのままでいいんだ」と思う気持ち(自己肯定感)が奪われ、自分を正当に評価できなくなってしまいます。
自分のことを大切に思えなくなったり、しなくていい努力を始め、摂食障害や自傷行為など心の病のドアを叩いてしまうことにつながりかねません。
② 人・学校が怖くなる
学校という環境では、クラスメイトや部活関係者からいじめを受けることが多く、また身近な友達や先輩などからの裏切りを目の当たりにすることもあります。
それまで仲良くしていた人や信じていた人が突然自分をいじめてくるような状況にあうと、人が怖くなり、信頼できなくなります。
これは、ある意味当然の反応だと思います。
人に対する恐怖感や不信感から、周囲の人の目がとても気になりだしたり、自分のことが常に不安になったり、「みんな自分をバカにしている」と被害者意識が高くなったりすることもあります。
そのため、人と話すことや関わることが怖くなります。
また、学校が「いじめを受けた怖い場所」として認識されるので、学校へ行くだけでいじめの体験を思い出し苦しくなってしまうこともあります。
そのため、学校に行くこと自体が辛くなり、不登校になってしまうことも少なくありません。
③ PTSD(心的外傷後ストレス障害)
『いじめ』というとても恐ろしい経験は、深く深く心を傷付けます。
そしてその心の傷はその後も長い間、被害者を苦しめることになりかねません。
深く刻み込まれた心の傷はトラウマとなり、ちょっとしたきっかけで時間が経っても生々しく思い起こされてしまうことがあります。(詳しくは『トラウマ』を参照)
あまりに恐ろしすぎて、いじめの体験や記憶を整理することができないまま、大人になっても長期に渡りいじめられた記憶に苦しみ続けるというケースも多くあります。
「いじめ」の影響力は計り知れない
『いじめ』という体験が被害を受けた子ども達に与える心理的影響は計り知れません。
上記の影響以外にも様々な影響が出ることが考えられます。
近年では、パワハラ・モラハラ・セクハラなどの大人同士のいじめや先生同士のいじめなども多く取り沙汰されています。
やっている方にしてみれば「大したことない」と思っていても、受ける側には全く違う衝撃を与えます。
いじめという体験が、被害の大きさに関わらず、それを受けた人の人生を左右するくらい大きな影響力を持っていることを是非知っておいて下さい。
次回は、『親がいじめに気付かない理由・気付くための声掛け例』をお届けいたします。
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