皆さん、こんにちは。
今回は子ども達からの質問に答えていきたいと思います。
今回のテーマは「学習障害」です。
学習障害は、発達障害の一つで、英語で“Learning Disorder” と言いますが、この頭文字をとって、「LD」と呼ぶことも多いですね。
「聞く・話す・読む・書く・計算する」などの領域のうちのどれかについて、習得の難しさがある状態を言いますが、知的に遅れがないのが特徴です。
例えば、しゃべったり、読んだりするのは、まったく普通か、時には平均以上に優れているのに、小学校1年生レベルの漢字を書くのには、とても苦労する人がいます。
こういう人の場合、マークシート式であれば、大学に合格できる得点を取れるのに、記述式の試験だと、ひらがなばかりの文章になってしまって、低い評価しかもらえなかったりします。
ちなみに、これは「書字障害」と呼ばれるものです。
その他にも、文章を読むことが困難な「読字障害」、計算だけが極端に苦手な「算数障害」がありますね。
早期発見、早期介入が大切!
誤解されやすいことですが、学習障害は、学習(勉強)が苦手だということではありません。
こういう障害があると、学校時代、かなり辛い思いをしていることが多く、その体験によって強いコンプレックスを抱いている場合があります。
皆さんに覚えておいて欲しいことは、これらは「脳の機能障害」なので、通常の練習では、いくら努力しても、なかなか改善しません。
周囲が早く気づいて、その子にあった訓練やトレーニングを行うことが重要なのです。
最近では、学習障害を、人に知られないように隠している大人の方も少なくありません。
書字障害などがあると、字を書くことを求められる場面を避けたり、そのために仕事が長続きしなくなっているケースもあるのです。
対応ポイント
学習障害を抱える子どもの場合、本人の障害に応じた学習プログラムで、学習を行うことが必要不可欠です。
また、劣等感や自信喪失をきたしやすいので、本人に合わせた目標設定を行い、少しずつ達成感と自信を味わ得るよう工夫することが大切になってきます。
障害のない子どもでも得意不得意はあり、能力のアンバランスはあるものですが、学習障害の場合は、得意なことと不得意なことの落差が極端に大きく、苦手なことはどんなに頑張っても克服することが難しいのです。
繰り返しになりますが、障害に出来るだけ早く気づき、適切な「治療教育」を行い、日常における子どもへの接し方を親や家族、先生方が配慮すれば、色々なことが出来るようになり、問題行動も減ってきます。
同時に、子どもの自信やヤル気にも影響が出てくるのです。
発達障害児への具体的な接し方のコツは、今後の記事にて詳しく取り上げていきたいと思います。
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