皆さん、こんにちは。
日頃お母さんたちからいただく質問の一つに「きょうだい喧嘩が絶えません。きょうだいがいつもケンカしている」というものがあります。
ケンカすること自体は別に悪いことではないのですが、ケンカの裏側に隠された心理を理解しておくといいかもしれません。
今回は、そんなきょうだい喧嘩のナゾについてお届けしたいと思います。
一言に「きょうだい喧嘩」といっても、周りの人が見たらビックリするような殴り合いのちょっとした傷害事件レベルから、一見すると仲が良さそうでも、本当は陰険な裏工作の応酬といったいじめレベルまで様々です。
「きょうだいだから、ケンカするのは仕方ない」と思っている方も多いかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか。
きょうだいゲンカの必要性!?
ケンカの中で痛い思いをすることで痛みを知り、加減を覚えるとか、自然な仲直りを学ぶとか、相手との駆け引きを経験するとか、我慢を覚えるとか、お互いに競い合って向上するとか、きょうだいで喧嘩をすることの必要性は確かにあると思います。
何度ケンカしてもすぐ仲直りできるのはきょうだいゲンカのいいところです。
しかし昔のケンカに比べて、最近ではストレス発散のためやモヤモヤを吹き飛ばすため、自分の要求を満たすためにケンカをしているケースも増えてきているように思えます。
中でも、「さみしい」「受け入れられたい」「少しでも構ってほしい」という気持ちから、両親の気を引くために、わざわざケンカをしているというケースも珍しくありません。
こういうケースでは、きょうだいゲンカの裏側に複雑な子ども心が隠れている可能性がありますので、単に害を加える側が一様に「悪い子」と決め付けて対応してしまっては、返ってことが複雑になりかねません。
兄弟・姉妹という存在が、自分を受け入れて、味方になってくれる大事な家族というよりも、利用できる身近な相手、もしくは憎むべきライバルになっているケースも少なくありません。
そこに、親御さんが危機感を抱いていないことがほとんどです。
このまま成長していくと、どんなきょうだい関係が出来上がっていくのでしょうか。
ケンカはコミュニケーションを学ぶ場所?
個人的な意見になりますが、きょうだいがよくケンカをするということは、どこかでケンカをすることが自分の主張をするためのコミュニケーションの一つだと、日常的に学んでいるのではないかと思います。
それは、どこでしょうか?
その多くがお父さんとお母さんです。
両親が言い争っているのはもちろんですが、一方的にどちらかが怒鳴り散らすとか、暴力を振るうとか、逆に存在感が薄いとか、家族の不満や悪口を子どもにえんえんと聞かせるとか、力関係に大きな隔たりがある場合も考えられます。
「ウチの子達はいつもいつもケンカしている」と心当たりがある方は、ひょっとすると、逆に「ウチの親はいつもいつもケンカしている」と子ども達に思われているのかもしれません。
そして、それが彼らにとっての「普通の日常」になっていたとしたら・・・。
よりよい夫婦喧嘩を!
おやこ心理相談室では、子ども達へのフォローを欠かさない「よりよい夫婦ゲンカ」を推進していますが、あまりにも夫婦ゲンカばかりの毎日だと、こういった副産物が生じてしまうのは残念ながら避けられません。
しかし、子ども達へのフォローが大前提であるということを意識することで、子どもへの影響を最小限にとどめることはできると思います。
「ケンカばかりして!」と叱る前に、ご夫婦のコミュニケーションが「会話」ではなくて、「ケンカ」になってしまっていないか、確認してみましょう。
身近に「穏やかなきょうだい」がいたら、是非そのご両親が日頃どんなコミュニケーションをしているのか参考にしてみましょう。
少し意識するだけでも家庭内の雰囲気が変わるかもしれません。
当相談室では、夫婦関係についてのご相談も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
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