皆さん、こんにちは。
きょうだいや友人との比較や差別などは、親は知らず知らずのうちにやってしまうものです。
こういった他人との比較は、まったく無いというわけにはいかないでしょうが、少なくするに越したことはありません。
特に、子どもの能力などについて、あからさまに周囲と比較したり、非難することは、残念ながら子どもの「自尊心」を奪い取っていくことになります。
子どもには子どものペースがあります。ものの覚えも、時間のかかる子と、そうでない子がいます。
時間のかかる子の方ができが悪くて、サッと覚える子の方が能力があるかというと、そうとも言えません。時間のかかる子は、自分なりに納得するまでつきつめる粘り強さを持っていたりします。器用にテストでいい点を取らなくても、興味のあることをじっくりやるタイプかもしれません。
それぞれの子どもに、それぞれの長所と個性があるので、親の価値観で「この子はダメだ!」と決めつけてしまうのは大変もったいないことです。
子どもには、伸びる所が必ずあります。可能な限り「あなたには価値がある」という意識を子どもに持たせてあげれば、子どもは自然に自分の得意分野を見つけて伸ばしていきます。
勝ち負け重視の比較競争
また、勝ち負けを第一において、いつも比較競争させることも、子どもの自尊心を奪い取っってしまうことになります。
「仲の良い○○くんに比べてお前の方が勝った!(負けた)」「○○に負けないように頑張りなさい!」という言葉は、よく耳にするかもしれません。
しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。
それは、何事も「勝つこと」が第一の目標になってしまうということです。
勝つことだけが目標では、「勝つこと」にしか楽しみが見い出せません。やっていることが楽しくて、その結果、勝てれば「嬉しい」と思えることが自然な感情の流れなわけです。
また、「勝ち負け」にこだわり過ぎることで、いつも「どちらが優位に立っているのか」を意識してしまうような人間関係しか持てなくなってしまいます。
こういう人は、表面的には友だちのフリをしていても、心の中ではいつも「あいつには勝っている」「あの人には負けた」と勝敗の結果を付けてしまいます。
勝っているときだけ、「優越感」という快感に浸れたとしても、次は「負けるかもしれない・・・」という不安と恐怖に脅かされていくことになります。
こういった心理状態の時に、弱いものを「いじめる」という行動が表れてきます(いじめ加害者の多くは、親に他者と比較されてきた経験を持つ子が多いのも事実です)。
自分が他人に「勝ち負け」という評価をつけているので、当然、自分も相手に評価されていると感じています。ですから、「自分はどんな評価をされているんだろう」といつもおびえてしまうことになります。
これほど心が落ち着かない人生はありませんよね。
比較の少ない人は、生きるのがラク
そもそも比較の少ない人は、生きるのがとっても楽なんですね。
なぜなら「他人は他人。自分は自分」と思えるからです。
世間的な評価にとらわれず、本当に自分の好きなことを追求できるからなんです。
こういう人は、自分にそこそこ満足しているので、他人の良さも正しく評価できますし、自分の得意なことや不得意なことも、わりあい正しく把握できます。
これが自分の能力をさらに発展させていく力になってくるのです。
ですから、親として子どもを褒めたり叱ったりする際には、他人との比較ではなく、その子自身の能力面に焦点をあてながら言葉がけをおこなって欲しいと思います。
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