皆さん、こんにちは。
親ならば誰しも、我が子に対して、
「幸せになってほしい」
「いつも楽しく、笑顔でいてほしい」
「友達と仲良くやってほしい」
「しっかり勉強して、立派な人になってほしい」
「自分らしく生きてほしい」
と、多かれ少なかれ、このようなことを願っていることと思います。
しかし、中には子どもが順風満帆な生活を送っていることに対して、無意識に子どもの幸せを邪魔してしまう親御さんがいます。
子どもが友達と楽しそうにしていると、母親が突然部屋に入ってきて「いい加減勉強しなさい!」などと、その楽しそうな雰囲気をぶち壊す一言を言い放ってしまったり、テストでよくできたと嬉しそうにしている我が子を見ると、テストの解答用紙の中に粗を探して「ほら、ここが出来ていないじゃない!」などと言い出したりします。
また、普段から「勉強しろ!人の上に立て!」などと言っていた父親が、子どもが学校で大事な役職についたり、部活動で良い成績を残したりすると「少しばかりよくできるからって、調子に乗るなよ。だいたいお前は~」などと説教を始めたりする場合もあります。
これらの親御さんの行動は、それまで笑顔で楽しそうに、嬉しそうにしていた我が子から、一瞬にして笑顔を奪い、さらには自信までも奪っていくことになります。
戸惑う子ども達
子どもの側からすれば、いつ何を突然言われるか分からないので、親の存在がとても恐ろしくなっていき、常に親の顔色を伺うようになります。
中には、本来の自分の力を発揮して活躍してしまうと、親から攻撃されるのではないかという恐怖心から、自分らしくいることを控え、他人と同等を目指し、親を越さないように気を遣い、萎縮している子もいます。
そのうえ、友達に対しても「無神経な親で申し訳ない」という後ろめたい気持ちから、ぎこちない友達関係になってしまったり、学校にも行きづらくなってしまうことさえあります。(←この点に関しては、子どもの方がよほど他人に配慮ができる、正常な感覚を持っています。)
その結果、親をシャットアウトしようとして自分の部屋に閉じこもるようになったり、友達関係が上手く行かなかったり、自分らしさが見つけられず長く苦しむことになったり、最終的に親に対して怒りや憎しみを抱き始めることもあります。
親として、我が子の幸せを願っていたとしても、これでは本末転倒です。
親の心の奥にある子どもに対する嫉妬心
これらの親の行動は、一見すると我が子のためを思っているように見えますが、これらは親の自己中心的な行動で、子どもの状況や心情が汲み取られることは一切ありません。
しかも、親本人がそのことに気が付いていないことがほとんどです。
では、なぜこのような親御さん達は、子どもの幸せを邪魔してしまうのでしょうか。
実は、その背後には親の子どもに対する「嫉妬心」が隠れているのです。
我が子に幸せになって欲しいと願う気持ちも確かですが、その反面で、我が子が幸せになることに対して、うらやましさや嫉妬心を抱いてしまっているのです。
その嫉妬心の奥には、実は自分が子どもの頃に、
- 「こんな風に友達と楽しく笑って過ごしたかった」
- 「テストでいい点を取って親から褒められたかった」
- 「こんな役職について人から信頼されたかった」
- 「部活をこんな風に頑張っていい成績を残したかった」
という、果たせなかった気持ちが残っていることがあります。
こういう気持ちが禍根となって、子どもの幸せを邪魔する行動となっているのです。
本当の親になるための最大条件とは?
それに気が付かずに突き進んでいくと、結果的に子どもは親の身勝手な嫉妬心の被害者となり、「自分らしく生きていくこと」、さらには「幸せになること」が、本来それを願っているはずの親の手によって阻まれてしまうことになるのです。
イギリスのメラニー・クラインという精神分析学者は、「親が我が子に対して、本当に親らしい親になるための最大の必要条件は、子どもに対する羨望と競争心をどれだけ解決しているかにかかっている」と述べています。
このような親御さんが本当に親になるためには、まず自分自身が、子どもの幸せや、子どもの成功を心から願えるかどうか、一度自分に問い直してみることです。
そして、子どもの幸せを邪魔してしまう未熟な子どもっぽい親心に、親自身がまず気付き、受け入れて、解決していかなければなりません。
親自身が正直に自分と向き合おうとする姿勢、親自身の未解決な心の問題を解決していくことが、かけがえのない我が子の幸せを守る上で必要になってくるのです。
最新のコメント一覧