皆さん、こんにちは。学生の皆さんは、2学期が始まりましたね。お母さんにとっては、「やっと学校が始まってくれた~」と肩の荷が下りていることではないでしょうか。
さて、この2学期というのは、1年間を通してみても、18歳以下の自殺者が最も多い時期と言われています(内閣府データ)。
その背景には、「いじめ」という大きな問題が隠れていて、この「いじめ」が原因で自殺を図る生徒が少なくありません。
この問題は、私達心理臨床家に投げかけられた大きな課題であり、一刻も早く対応しなければいけない深刻な問題の一つでもあります。
登校を拒否できる能力
学校という場は、時として、とても残酷で危険な場所になってしまうことがあります。
「私は、いじめられている!」と周囲にSOSを発し、登校を拒否できる能力がある子は、まだ救われます。
自殺してしまう子の多くは、どんなに危険な場所であっても、そこから逃げずに、ひたすら頑張ろうとする子ども達です。
こういう子は、いじめられっ子としても優秀で、何をされても反撃したり、泣きわめいたりしません。
顔を真っ赤にして屈辱を受け入れているし、冗談まぎれの暴力には笑顔で応じたりします。こんな状態が続いていたとしても、彼らは「学校は楽しいです!」と、胸を張って言うのです。
どうして本音を言えないかというと、周囲や親が期待している、「学校で元気に過ごす子」を演じるのに必死だからです。だから何があっても親だけには言いません。言えないのです。
いずれにしても、この「逃げずに頑張る」という姿勢が、とても危ないのです。
繰り返されるいじめは、人間の一番大事な部分である、自分自身を愛し、尊ぶという、自尊心をそぎ落としていき、これからの人生のエネルギーの源泉を枯らしてしまうことになるのです。
逃げるが勝ち!
だから、いじめられている子には、「とにかく逃げろ!もうこれ以上頑張るな!休んだっていいんだよ」という周囲の声掛けが、子ども達の心を救い、こういったメッセージを送り続けることこそが、子ども達を「自殺」から守ることにつながるんだと思います。
いじめられている子どものサインをチェックしたい方は、こちらをご覧ください。
もし読者の中に、2学期に入ってから、毎日「死」というものを間近に感じている生徒がいましたら、当相談室へ勇気を振り絞って連絡をください。もちろん匿名でも構いません。
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