皆さん、こんにちは。
親御さんの多くは、我が子に自信をもってほしいと願っています。子どもは親から認めてもらい、ほめてもらうことで、自信をつけていきます。
しかし、多くの親御さんは、子どもが「できたこと」をほめるよりも、「できなかったこと」を叱ることのほうがはるかに多いのも現実です。
どうしてそうするかというと、叱咤激励することで、「この次はできるようになるはずだ!」と考えているからです。でも、残念ながら、子どもは「できなかったこと」を叱責されることで、徐々に自信をそがれてしまいます。
では、どうやって我が子を褒めたらよいのでしょうか。
ただやみくもに褒めればいいというものではありません。
実際、私が出会うお母様の中には、「どうやって褒めたらいいのか分からない」とおっしゃる方もいます。自分が実の親から褒められた経験がなければ、我が子を褒めることが出来ないのは、むしろ自然なことでしょう。
以下に、私が考える「ほめ方」のポイントを挙げますので、参考にしていただければと思います。
① 誰かとの比較でほめない
「お姉ちゃんはちっとも手伝ってくれないけど、あんたは手伝ってくれてえらいね」という褒め方は、お姉ちゃんとの比較で褒めていますね。
比較で褒められることは、自分への自信につながりません。
「いつも手伝ってくれてありがとう。とっても助かるわ」と、その子の行動そのものを褒めてあげて下さい。
比較するならば、誰かと比較するのではなく、その子の今までと比較して褒める方が、子どもの自信を育てることになります。
「お兄ちゃんよりも上手だね」ではなく、「前より、これだけ上手になったね」「昔はできなかったのに、こんなにできるようになったね」という具合です。
「算数のテスト、○○ちゃんより点数が良くてすごいじゃない!」ではなくて、「前のテストでは、70点だったのに、今回は80点も取れたんだね。すごいじゃん!」という感じですね。
② 結果をほめるのではなく、プロセスをほめる
「1位になったからすごい!100点とったからすごい!」と、結果に注目する褒め方をしていると、「自分は1位じゃなかったからダメなんだ・・・」「90点だからダメなんだ・・・」と思うようになって、自信が育っていきません。
「一生懸命練習したのに、1位になれなかったのは悔しいかもしれないけど、それまでに精一杯努力はしたと思うよ」というのがプロセスをほめることです。
実は、結果を褒めることはとても簡単なことなのです。
なぜなら、子どもの行動の結果だけを見ていればいいだけだからです。
一方、プロセスは、結果以上に「どんなふうに努力したのか。どんなふうに頑張ってきたのか」など、子どもの行動をよく観察していないと伝えられません。
この関心を持ってもらえているという感覚が自信につながっていくのです。
何より結果が出なくて一番落ち込んでいるのは、子どもの方ですからね。
プロセスをほめてあげることは、一時的に落ち込んでいる子どもの気持ちを救う大切な役目を果たしてくれるでしょう。
③ 親の素直な気持ちを付け加える
子どもが家の手伝いをしてくれた時や一つのことを成し遂げた時など、「偉かったわね」という言葉がけでも悪くはありませんが、できれば「お母さん、すごくうれしかったわ」と、その喜びを率直に表現してあげると、子どもは素直に喜べます。
そして、「お母さんが喜んでくれるんだったら、またやってあげたい!」と思い、それが「自信」を獲得していくための大事なステップになります。
褒められると怖い
褒められれば、「嬉しい」と感じる方がいる中で、褒められると「怖くなる」と感じてしまう方がいます。
こういった方の多くは、親から褒められたり、気持ちを受け止めてもらった体験が少なく、逆に叱られたり、けなされて育てられた経験が多いのです。
彼らにとって、褒められるというのは、未知の世界ですから、何とも居心地の悪い感覚に襲われ、「この人裏があるんじゃないか?本心が見えない」などと必要以上に相手を疑ってしまいます。
「叱られ、けなされることが愛情だ」という歪んだ認識を持っていくので、どうしても対人関係が不安定なものになりやすいのです。
ですから、いくら褒められたとしても、無意識で相手が怒り出すようなポイントをついてしまい、相手が少しでも苛立っている様子をみると、「ほら、さっき言っていたことはやっぱりウソだった」と納得していくのです。これではとっても寂しいですよね。
大人社会でもこういった方達は結構いるもので、いつも不安定な対人関係しか築いていけないのです。
こういった歪んだ認識を子どもの頃から植え付けてしまうことは、とても残念なことです。
「褒められたら嬉しい」という当たり前の感覚を、是非子ども達に与えてあげて欲しいと思います。
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