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73febb0c36be09554c46479404de5191_s皆さん、こんにちは。

いつも母親が一番で、母親よりも親しい友人が出来ない。彼氏や彼女のことを、いちいち母親に報告し、恋愛相談を友人ではなく母親にする。職場の人間関係がうまくいかないといっては母親に訴え、「そんな会社なんか辞めてしまいなさい」と言われればすぐに辞めてしまう。

こうした子ども達は、母親とのベッタリとした密着した狭い世界の中で生きています。この密着は、ひどくなると「母子カプセル化」と呼ばれ、お母さんと子どもがまるで同じ感情で動く、そんな状態にまで発展してしまいます。

これはとても恐ろしいことであり、その後の子どもの人生に大きな影響を与えていくことになります。

親-子の世代境界

b4a65973c1934138ac6322fa63733510_s生まれたばかりの乳児にとっては、母親以外の世界は存在しません。そこで「母子カプセル化」は、ごく当たり前であり、かつ必要なものです。

でも、子どもがだんだん成長すると共に子どもは、親とは別な世界を作り出していって、親との間に境界が引かれ、子どもは自立していきます。

この親―子の境界を心理学用語では「世代境界」といいます。

お母さんが勝手に部屋に入ってきたりすると「うるせえなぁ!」と言ったり、「俺(私)の持ち物にさわるな!」とか言ったりしますね。

これはとても健康なことなんですね。

744673f78fd7fa858750ece9204a2956_sところが、母子カプセル化している親子では、母親と子が密着してしまっています。

これには、お母さんにとっての「」が、もう家族システム上存在していないという背景があります(夫との関係に満足していない寂しい母親は、子どもをなかなか手放すことが出来ません)。

子どもはお母さんが苦労して家族の中でいろんな役割を背負っていることは見てきて知っています。

8c83a431f3de7729c713c935e86a24b2_sお母さんに手放されたら大変ですし、お母さんに気に入られなかったら大変ですから、子どもは常にお母さんの顔色やご機嫌をうかがうようになります。

そして、知らず知らずのうちに、子どもは意識のすべてをお母さんに集中して、お母さんを援助するかっこうになってきます。

一番の援助の形は何かといえば、お母さんの「グチの聞き役」をすることです。お母さんの気持ちを察してあげて、精神的な支え役をとるようになっていきます。

機能している夫婦関係とは

637e6eba5503e32971cd1dd96806c490_s本来ならば支え合うのは夫婦の間でやることですよね。

今日こんなことがあってね、もうまいっちゃうわ」と奥さんが言ったら、「まあ、そんなに気にするなよ」と夫が言ってくれたり、「今日は元気がなさそうだけどどうしたの?」「いや、実は今日会社でさあ・・・」と言ったり。夫婦間で色々な不満やグチを吐き出し合う分には全く問題はありません。

ところが母子密着の家族では、これを母子の間でやるわけです。

これの何が問題かというと、子どもの成長とともに、母子密着が強くなってしまうことなのです。

子どもが10歳になれば、ゼロ歳のときより10年分、親から離れていなくてはならないのに、10歳、20歳、30歳と成長と共にゼロ歳児のように母親に密着していきます。

母子密着が起こってしまう背景には、子どもが母親に対して抱くある感情が大きく関係しています。

9f796166b0848f4cb52a408e3372e475_s母親から不満やグチをこぼされた、子ども側はどう感じるかというと、「お母さんはかわいそう」と思うようになります。「かわいそうなお母さんを何とか自分が守ってあげなければ!」と思うようになることで、ますます母親から離れられなくなっていきます。

また、母親と自分が一体化しているので、母親の幸せが自分の幸せになってきます。お母さんが幸せになってくれないと、自分も幸せになってはいけないような想いになっていくのです。

このような状態では、まず子どもが自立できるわけがありません。

こうして、やがて自分の生きづらさに気づき始めた時、自立を巡って、様々な問題行動が登場してくるというわけなのです。

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