皆さん、こんにちは。
私は職業柄、色々な悩みを抱える方たちと出会い、そして彼らの心の訴えに日々耳を傾けています。
そんな方たちの訴えの中には、「甘え方が分からない。どこまで甘えたらいいのか分からない」というものがあります。この訴えは、大人であっても子どもであっても変わりはありません。
心の健康を保つためには、適度に周囲や他人に「甘えられる力」が必要です。
では、甘えることが出来ないと、どういった困難さが表れてきてしまうのでしょうか。
甘えたら負けだ!甘えるのは弱い人間だ!
まず、甘えることが出来ない、甘え方が分からないというのは、親子関係にそのルーツがあります。
残念ながら親から無条件の愛情を受け取ることが出来ずに成長してきた方は、「愛する。信じる。頼る」などの感覚が本当の意味で分かりません。
苦しい時や辛い時こそ、周囲を頼ればいいんですが、それができません。
その代わりに、一人で辛さや苦しさを抱え込み、乗り越えていこうと奮起します。
彼らは心のどこかで、「甘えたら負けだ!甘えるのは弱い人間だ」と思い込んでいます。
世の中には、甘え上手の方も沢山いらっしゃいますが、上手に甘えている人を見ると、理由もなくイライラしてきたり、「こっちはこんなに我慢しているのに、何を楽しているの?」と思って腹が立ってきてしまうこともあります。
何事にも一人で頑張ろうとする姿勢は大切ですが、このスタンスは、あくまでも「甘えられる力」があることが前提です。
危険な相手に近づいてしまう?
生きていれば、数々の困難やピンチに遭遇することは避けられませんね。
そういう時に「甘えられる力」がない方は、適度に助けを求めて甘えることができません。
また、甘えていいはずの人間を正しく見極めることが出来ないので、自分を否定してきたり、危害を与えるような危険な相手に助けを求めてしまうこともあります。
うわべだけ見れば、危険な人が、一番優しそうに見えてしまうからです。
その結果、「甘えた自分が悪かった。やっぱり弱い人間だ」と自分の信念を証明する形を取ってしまうことがあるのです。
本当の愛情というものを知っている人なら、簡単に見破ることのできる見せかけの愛情に引っかかってしまうのも、こういった方たちの特徴の一つなのです。
心理療法(心理カウンセリング)では、家族関係や親子関係を振り返りながら、自分の対人関係パターンや周囲との距離感、甘え方・頼り方などを整理していきます。
甘えられなかった過去は変えることは出来ませんが、同じ過ちを繰り返さない工夫は今からでも出来ます。
「甘え方が分からない。誰に、どこまで甘えていいのか分からない」という方は、年齢問わず、お気軽にお問合せ下さい。
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