皆さん、こんにちは。
何事にも周りと自分を比較し、自分の方が優れていないと気が済まない人がいます。
こういう人は、相手に能力のかける点を思い知らせることによってでしか、自分に能力があると感じることができません。
そういった方達にとっては、相手が自分の子どもであっても同じことです。
特に子どもが思春期を過ぎて成長してくると、自分に自信がなく不安な親御さんは脅威を感じるようになります。
心の健康な親?不健康な親?
心の健康な親にとっては、子どもが成長して色々なことができるようになってくることは、喜び以外のなにものでもありません。
しかし、心の不健康な親の場合、自分から何かが奪われていくような気分になり、子どもに「かなわなくなってくる」ように感じます。
そして、子どもに対抗しようとする親御さんのほとんどは、なぜ自分がそういう気持ちになるのか、ほとんど気づいていません。
母親の場合、年と共に女としての魅力を失っていくことを不安に感じているところへ、娘がしだいに大人の女性へと近づいてきます。
父親は、年とともに力強さを失ってきているところへ、息子が自分よりも大きくたくましくなってきます。
それは本来喜ぶべきことなのにも関わらず、何事も自分の方が優位でないと不安な「心の不健康な親」は、それに脅威を感じてくるのです。
そこで、成長してきた我が子に嫌味を言ったり、馬鹿にしたり、ディスることによって、子どもを弱い立場のまま抑えつけておこうとします。
一方、そういう親を持った思春期の子どもは一層背伸びをして大人の真似をしたがり、それが親を挑発して、ますます事態を悪化させてしまうことがあるのです。
まだまだ足りない!もっともっと!
何事も競いたがる親は、子ども時代に物が不足していたり、彼ら自身の親が同じようなタイプだったために愛情を与えられなかった犠牲者であることが少なくありません。
その結果彼らは、物でも愛情でも、自分にとって必要なものがいつも不足している気分がしてくるのです。
そのため、いくら沢山手に入れても「これで十分」と安心することが出来ないのです。
こういう親御さんの多くは、自分自身が子どもの時に親や兄弟姉妹から味あわされた経験と同じことを我が子に対して繰り返してしまうことがあるのです。
この不当な扱いは、巨大な圧力となって子どもの上にのしかかってくることがあります。
親を超えないようにする子ども達
このような親に育てられた子ども達は、何かのことで親をしのぐことができた時、何となく後ろめたい気分になることがあると訴えます。
上手くやれればやれるほど、ますますみじめな気持ちや不安な気持ちになってくるのです。
それが高じると、将来自分の成功を自らつぶしてしまうようになってしまうことすらあるのです。
残念ながら、彼らにとっては、あまり成功しないことが心の平安を得るための代価になってしまっているのです。
無意識のうちに自分に限界を設定し、親に勝らないようにすることで罪悪感から救われようとしているのです。
こういった心理と行動パターンを理解し、自分が幸せになる権利があることを自覚しない限り、自分では気が付かないところで不毛な人生を繰り返すことになってしまうのです。
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