皆さん、こんにちは。
大人に限ったことではなく、子どもであっても日常生活の中で、苦痛な出来事や辛い体験と出会うことはしばしばあります。
どうやって子ども達は、そういった出来事や体験をやり過ごしているのでしょうか。
通常子どもは、自分に都合の悪い苦痛なものは否認します。見えないようにするんですね。
親からひどい虐待を受けていたり、夫婦喧嘩の絶えない家庭、学校でのいじめなどでは、子どもは自分の心を守るために、現実を見えないように上手くごまかしていきます。
その分だけ自分にとって楽しいことをいろいろ空想する能力が備わっているのです。
空想している世界が、あたかも現実であるかのように経験したり、思うことでこころのバランスを取って、こころの安定を図るという精神的なメカニズムを持っています。
子どもが大人に比べて現実的に無力であったり、また力が弱かったりすればするほど、こうしたこころの空想が発達します。
それだけに子どもは空想的な世界の中で暮らす度合いが高いんですね。
子どもは空想的な世界の中で、心の安定を図る
大人は、この子どもの空想を、大事にしてあげなければいけません。
それによって子どものこころは安定し、いろいろな希望をもって人生を生きていこうとする力を養う土台になります。
例えば、子どもは「ぼくは強い仮面ライダーだ!」とか「スーパーマンだ!」となりきって遊んでいることがあります。
そういう空想的な遊びのなかでは、自分というものが、巨大で最強な存在に思えてくるのです。
このようなこころの働きによって、か弱い、親に依存している子どもが自信をもって育っていくことができるようになります。
子どもはこのような空想能力、理想化の能力があります。
子どもが、自分自身を実際以上に強く思ったり、自分自身を実際以上に美しく可愛く思ったりする力を、ひとまとめにして「理想化」と言います。
これは子どものナルシシズム(自己愛)でもあります。
子どもの空想化、理想化の能力は、まず第一に自分自身に向けられて、その中で、自己愛(自分を愛すること)を高めて大きくさせることによって心の安定を図って、そこから楽観的な希望だとか、あるいは自信とか、あるいは素晴らしい期待を自分にもつことができるようになります。
これがその子どもにとって精神的なガソリンのような働きをするんですね。
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