子どもが幼稚園や保育園・小学校に通い始める時、一番最初に「母親離れ」という大きな難関が待っています。
「お母さんがそばにいなくて心細い・・・」、「ひとりになるのはイヤだ!」、「幼稚園や保育園、小学校なんて嫌い!」、「お母さんと二人でいたほうがいい」、そう思う子は数多くいるものです。
しかし、多くの子どもは、その不安に耐えながら何とか頑張って、ひとり立ちが可能になり、幼稚園生や保育園生、小学生になることができます。
どうして不安に耐えられるかというと「ここで頑張れば、お母さんは家で待っていて、学校が終わればお母さんの所に戻れる」そう思えるからこそ頑張れるわけです。
ところが、お子さんの中には、お母さんと離れる時、不安が刺激されてしまう子がいます。
彼らは、お母さんがそばにいないと、「お母さんは自分を置き去りにしてどこかに行ってしまうんじゃないか」と不安に駆られてしまうのです。
こういう子は、ひとりきりでいると、自分が幼稚園や保育園・学校に行っている間に、「お母さんがいなくなってしまうんじゃないか・・・お母さんは自分のことを見捨てるんじゃないか」と恐怖に陥ってしまうことがあるのです。
読者の皆さんも容易に想像がつくと思いますが、こういう子は、毎朝登園や登校を渋るわけですね。
この子たちにとったら、「お母さんがいなくなってしまう・・・」と思うので、家を離れるのがとてつもなく怖いわけです。
親御さんの中には、「甘やかしてはいけない!」と思い、嫌がるお子さんを無理やり車に押し込み、強制的に連れて行こうとする方がいます。
泣きながらお母さんと別れなければいけないような体験を強いられたお子さんは、「お母さんに追い出され、見捨てられた」と感じ、これが心の外傷(トラウマ)になってしまうことさえあるのです。
子どもに自立してもらうためには
では、どんなふうにしてお母さんと密着した子どもたちを、お母さんは、自分から自立させたらよいのでしょうか。
以前の投稿『自立は依存があって成立する』にも書きましたが、子どもに早く自立してもらいたければ、子どもが納得いくまで甘えさせてあげることが大切です。
子ども側の甘えや依存心が満たされない限り、お母さんと距離を置いた時、心の中で「ひとりでいても大丈夫。きっとお母さんは僕(私)の帰りを待っていてくれる」という心の状態を身につけることが出来ません(=自立が出来ません)。
また、登園・登校渋りが激しい場合には、先の例のように無理やり母親との分離をはかろうとするのではなく、少しずつ離れる練習をすることも大切です。
出来る限り幼い時から、「離れていても、お母さんはいつもあなたの心の中でそばにいるし、会いたいと思えば、またすぐに再会できるよ。しばらくの間、ひとりでみんなの中で楽しくやってきてごらん。お母さんは待っているよ」、そういう母と子の心の絆を培っていって欲しいと思います。
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