皆さん、こんにちは。
思春期のお子さんを抱える親御さんにとって、「性」についてはとてもシビアな問題になります。
「性教育は誰がいつごろした方がいいのか?しかも、どの程度伝えたらよいのか?」と、親としても戸惑ってしまうものです。
まだまだ家庭で親子があけっぴろげに性の話が出来る家族が、開けた良い家族だと謝った認識がありますが、これは子どもを混乱させてしまうだけです。
学校で性を教えるのは、同世代の子が対象だからいいんですね。
そもそも自分の体の変化には自分が責任を持つものです。最初は、恥ずかしいという感覚を持っていて、「なんだこりゃ!」みたいな、そういうことでいいわけですね。
健全な成長プロセス:
一番多いルートは、大人は子どもの青臭い「性の問題」に全然触れないでおいて、子どもはどんどん仲間うちで情報を公開しあって、親に対しては、まるでまったく性について興味・関心がないみたいに振る舞いながら、ある日突然、親を捨ててポンと出ていってしまう。
これが健全なプロセスなわけです。
もちろん、その前に予兆行動はいろいろあります。ひっきりなしにメールが届くようになったり、自室で電話をするようになったりします。
しかし、まずその前に、子どもは異性にではなく同性に対して、親友というより分身のように付き合う時期があります。
こういうことを通して自分の世界を作り、親との間の愛着関係を削いでいきます。
早い話が、親なんてどうでもよくなってくるのです。
恋人のような人がいればもちろんのこと、そうでなくても同性の親友との友情とか、部活動での仲間とか、そういうことの方が、親よりもはるかに大事になります。
これが健全な成長プロセスなんですね。
仲間との不安の共有がこの時期を乗り切る:
この思春期に、女の子はもろに体に関心をもちます。そして、太る・痩せるという意識が強くなります(摂食障害もこの時期に現れてきます)。
一方、男の子の場合は、マスターベーション、射精といった部分に関心や興味を持つことになります。
この時期に、男の子が一生懸命、猥談に興味を持ったり、友達同士でエッチな本を回し読みしては、ワイワイ話をするのは彼らが不安だからです。
お互いにシェアし合うことで、「こういうことって、自分だけじゃないんだ。皆一緒なんだ」と不安を共有することが出来るのです。
こういうことが出来ている子は問題ありません。性の欲動をちゃんと認めて、適切に処理が出来るからです。
中には、マスターベーションや射精などを本当に恥ずかしい行為と思ってしまい、この体の変化を仲間と共有できない子もいます。
彼らはマスターベーションの不安や問題を解消できないままでいるので、精液が手に付いたりすることに、とても神経質になり、その結果、強迫的に手洗い行為を始めてしまうこともあります(この時期に引きこもりが始まるケースもあります)。
このように、性の問題は、親子間で解消する代わりに、同性の仲間という存在を通して解消されていくことが、健全な成長プロセスなのです。
ですから、思春期のお子さんを持つ親御さんには、勉強が出来る、出来ないという視点も大事ですが、それよりも同性の仲間がちゃんといるかどうか、という視点を大切にしてほしいと思います。
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