子どもが元気に過ごしていると安心ですが、ときには落ち込んだ姿をみせることがあるかもしれません。そんなときには、親御さんとして「なんとか元気づけてやれたら・・・」と思うものです。
理由がわからない場合は、親が気にかけているということを伝えるために「なんだか元気がないね」と声をかけてみて下さい。それで話を始めてくれたらラッキーです。身体も視線もできるだけ子どもの方へ向けて「うん、うん」と相づちを打ったり、「そっかぁ、それで悲しい気持ちになったんだね」などのように共感を示したりしながら傾聴します。
この時に、「良いか悪か」の善悪判断をできるだけ避け、子どもの訴えをそのまま聞くようにしてみて下さい。特に親のアドバイスなどはなくても、話を聞いてもらえるだけで安心する子どもが多いものです。
聞いてみても話さないようなら、「元気がなくて心配だから、話せることがあったら教えてね」などと聞く用意があることを伝えて待ってみるといいかもしれません。
子どもにしてみれば、気持ちを表現することが難しいのかもしれないし、気分が沈む理由を自覚できないのかもしれないし、小さな出来事がいろいろ重なった結果かもしれないからです。
また落ち込んでいる子どもを見ていると、もどかしい気持ちから発破をかけてやりたくなりますが、言葉かけには注意が必要です。「もう少しがんばってみたら?」「やればできるんだから」と頑張りを促すような声掛けに対して、自信があって気分が乗っているときならば「よし、やってみるか!」と答えられるかもしれません。でも、落ち込みのために自己肯定感が低くなっているときは、素直に受け取れないことが多いものです(これは大人でも同じですね)。
「もうこれ以上はがんばれない。どうせ無理だし」「やってみたけどできないのは自分がダメなやつだから」など、励ますためにかけた言葉をネガティブに受け取って、余計に自信を無くしてしまったりします。
自己肯定感を回復させるためには、やはり褒められたり、ねぎらわれたりすることが有効です。子どもが自信を失って、ヤル気が不足しているように見えるときには、さらに頑張る方向で励ますのは避けて、これまでの努力をねぎらったり、がんばろうとしてきた姿勢をほめたり、結果ではなく努力のプロセスを認めたりするような声掛けをしていきましょう。
「いつもよくがんばっているね」「大変なことなのにあきらめずによく取り組んでいるね」「前と比べてこんなにできるようになったよね」とできているところに注目して肯定的な言葉をかけてあげることで、結果的に「もう少しがんばってみよう」という子どもの意欲がわきあがってきやすくなります。
これらの対応は、子どもに限ったことではなく、ご家族や親族に、うつ病や何かしらの精神疾患を抱えている方がいる場合の声掛けや接し方と同じです。
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