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皆さん、こんにちは。
日頃より、おやこ心理相談室をご利用いただき、ありがとうございます。

最近「セックスレス」という言葉をよく聞くようになりました。

メディア関係でも頻繁に耳にしますが、マンガやドラマでもセックスレスを題材にしているものがあるくらい、一般的な概念になってきているようです。

日本性科学会によると、「セックスレス」とは「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」を指します。

1か月以上パートナーとなんらかの性愛的なスキンシップがないことを、セックスレスと捉えるようです。

セックスレスという言葉を気軽に使うこともあるかと思いますが、この問題はデリケートなだけに対応には時間がかかり、他の問題(不倫・離婚・子どもへの影響)へ形を変えやすいという性質があります。

☘ セックスレスになりうる原因とは? 妻側と夫側の理由

子どもが生まれた後にセックスレスになる原因は、妻が拒むパターンと夫が拒むパターンの二通りがほとんどです。

妻側としての理由で多いのは、「仕事で疲れている」「家事や育児で忙しい」「性交痛がある」など身体的な理由と「子どもがいて集中できない」「夫に魅力を感じない」などの気持ち的な理由があるようです。

夫側としても同様に、「仕事が忙しくて疲れている」「性欲の衰え」という身体的な理由と「妻に性的魅力を感じない」「妻に断られたことがあり誘えない」「求められることがプレッシャーに感じる」などの気持ち的な理由が多いようです。

身体的な事情も多くあるとは思いますが、中でも、コミュニケーション不足から気持ちがすれ違い、セックスレスになったというケースは意外と多いと思います。

たとえば、妻はセックスをしたいのに、夫が誘ってくれないから結果的にそのままセックスレスになってしまったとか、逆に夫がセックスをしたいけれど、妻に断られたことがトラウマになって誘えなくなってしまった、といったケースです。

性にオープンな欧米に比べると、日本はセックスについては未だ閉鎖的で、なんとなく女性側からは誘いにくいという風潮があり、「セックスをしたい」なんて自分からは言い出せないと思っている女性も多いと思います。

結果的に、夫が誘ってくれるのを待つ、という受け身のセックスになってしまいがちです。

セックス自体についても、自分から愛撫行為をするなんて恥ずかしいという思いから、夫にやってもらうだけの受け身のセックスをすることになりがちです。

それが続くと夫としても、セックスが「妻の気持ちが分からず不安になるだけの行為」になってしまい、セックスに対して積極的になれなくなりますね。

このままでは、妻が自分の気持ちを素直に伝えられないことで、夫が不安になり、セックスレスにつながっていく可能性が高いです。

夫側としても、セックスを誘ったのに断られたことがトラウマとなり、誘う勇気がなくなってしまい、セックスレスになるというケースもあります。

☘ セックスレスは、コミュニケーション不足のサイン!

ここでも、夫がそのときの感情を素直に伝えることができて、夫婦のコミュニケーションがしっかりとあれば、トラウマまでならずに「じゃ、次の機会ね」と切り替えることができます。

そもそもセックスは生殖行為というデリケートなものなので、身体的な理由で「やりたい・やりたくない」というタイミングがあるのが当然です。

お互いがそのことをきちんと理解して、まずはお互いの体調や気持ちを尊重するスタンスが必要です。

そのうえで、相手が誘ってくれるのを待つだけとか、逆に自分の気持ちを押し付ける、といったことがないよう、自分の気持ちを相手に伝えることが大切です。

セックスは、コミュニケーションの一つの方法だと思います。

コミュニケーションがしっかりと取れていれば、身体的な理由からセックスができなかったとしても、それ以外のセクシュアル・コンタクトで幸福感を感じ、満足しているというケースもたくさんあります。

お互いの気持ちが伝わり合っているということは、たとえセックスレスでも満足感につながることなのかもしれません。

セックスレスが一概に夫婦関係を悪化させるとは言い切れませんが、セックスレスはコミュニケーション不足の一つのサインであることには間違いないと思います。

セックスレスよりもコミュニケーションレスの方が複雑な問題に発展しかねないので、セックスレスというサインに気付いた方は、是非日頃の夫婦間のコミュニケーションを見直してみるといいかもしれません

☘ 欧米では一般的なカップルセラピー・セックスセラピー

とてもデリケートな問題ですので、周囲にも本格的に相談しづらいこともあるでしょうし、ご夫婦だけではどうにもならない・どうしていいかわからない、ということもあるかと思います。

そういう時は、思い切って専門家を頼ってみるのも一つの解決策かと思います。

欧米ではカップルセラピーやセックスセラピーは、個人のカウンセリングと同じくらい一般的に行われています。

それくらいセックスは大事なコミュニケーションだという認識なのです。(アメリカのセックスセラピーについては今後のコラムでご紹介したいと思います。)

おやこ心理相談室でも、カップルセラピーを提供しておりますので、夫婦関係でお悩みの方は是非ご利用下さい。

もちろん、どちらか一方のご相談でも大丈夫です。

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