皆さん、こんにちは。
「五月病」という言葉をご存知でしょうか。
この「五月病」は、比較的よく耳にする言葉だと思いますが、実は「お母さんの五月病」という言葉があります。
そもそも五月病というのは、大学に入学した新入生が5月の連休明けくらいになって虚脱状態(無気力状態)となり、学校へ行かなくなる現象を指しています。
今では新入社員の五月病というケースも多くみられますが、いずれにしても、入学、入社それ自体が目的だったため、それを達成してしまった後、一体何をやったらいいのか分からなくなってしまう虚脱状態を指します。
「お母さんの五月病」も似たような精神状態で、子どもが大学に入ったり、就職して親離れや家離れしてしまった後に起こるお母さんたちの虚脱症状のことを言います。
実は、最近になり、この「五月病」にかかるお母さんがとても多くなってきています。
私には何もない・・・空虚感
子どもが離れていった後、人生がむなしくなってしまったり、憂鬱になってしまったり、しかし、一体自分に何が起きているのかわからず、とりあえず偏頭痛になったり、肩こりなどの身体的な不調になるケースも珍しくありません。
近所の医者に行く方もいますが、たいてい、「更年期障害」などと診断されることもあります。なかには自律神経失調症などの病名をもらって、あちこちの医者にかかる人もいます。
子どもが巣立って「これからが私の時代だわ!」なんて思えるお母さんは、問題はないのです。
これに対して、巣立ってしまった後、「自分には何もない、空っぽ感だけが残る・・・」というのが問題なのです。
五月病に陥るお母さんの共通点:
五月病にかかるお母さんたちは、ある程度高学歴で、社会生活の経験が長いか、少なくともある人です。
なかったとしても、学生時代は男子と一緒に過ごしていた時間も多く、男性の頼りなさや弱さ、程度というものをよく知っています。
会社でも男性と一緒に仕事をしている時なども、男性にダメ出しをしたり、無能扱いしていたなんて経験をもっています。
要は、プライドが高く、男性を見下している傾向があるということですね。
こういう人が結婚したとします。気楽に暮らしていた専業主婦としての日々が、そのうちバカバカしく思えてきます。
いつ帰るか分からない主人の食事なんかを作っていると、突然ムラムラっと腹が立ってきます。
「自分にはもっと輝かしい世界があったのではないか」、「自分はもっと活躍できたはずだ!」という気がしてくるそうです。
そんなところに、たとえば同級生だった女性が社会的にバリバリ活躍しているなんて噂を聞いたりすると、もうカーッとなって、その晩は眠れなかったりするのです。
育児にのめり込む母親
こういう女性たちが育児に専念します。専念というより、のめり込みます。
そして、専業主婦、子育て専業となった母親たちの願望、後悔、恨み、それらが混じり合って子どもに注入されます。
いわゆる「お受験」や進学を通して、彼女たちは自分が断念した、達成できなかった社会的野心を子どもに託して身も心も没頭していきます。
そうして育てた子どもが大学に入ってしまうわけです。これはもう虚脱しか残りませんね。
自分の生活を棚上げして取り組んでいた目的が一気になくなってしまうのです。
まして子どもが親離れし、家を出て行ってしまったり、あるいは自宅通学でもクラブ活動だ、友達だと、家にはあまり寄りつかなくなったりします。
これからどうやって生きていくのだろうと途方にくれると同時に、取り残されってしまった寂しさが襲ってくるのです。
これが母親たちの五月病の実態なのです。
子離れは夫婦の共同作業
実は、子離れという仕事は、母親だけではできません(中には、シングルマザーでも上手にやられているお母様もいますが)。
まず、夫に大切にされていない母親にはとても難しい作業なのです。
子別れという作業は、痛みを伴うものですが、この痛みを緩和してくれるのが、夫からの愛情になります。
しかし、仕事にばかりかまけている夫や本来の夫・父親の仕事を家庭内でなかなかできていない男性の場合、母親たちはなかなか子別れ出来ずに、いつまでたっても子どもの世話を焼きたがり、必要以上に子どもの人生に首を突っ込んでしまうのです。
その結果、子ども達は窒息しそうな状態に追いやられ、自らの体を張って、リストカットや摂食障害、不登校、引きこもりなどの問題行動を通して、親との分離を図っていこうとするのです。
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