皆さん、こんにちは。
前回は、夫婦ゲンカのメカニズムについて解説しました。
今回は、夫婦ゲンカに子供が巻き込まれていくメカニズムとその影響について解説していきたいと思います。
お母さんは僕のもの!
子どもは、親のケンカや不仲を目の当たりにすると、例えば、男の子の場合、基本的に「お母さんに一番愛される存在でいたい」という男の子の願望があるので、お父さんがあまりお母さんに愛されていないとなると「僕が、一番お母さんに愛される男になろう!」という隙間が出来てしまいます。
そして、そこに入り込もうとするわけですね。
そうすると、父親側から妻と息子のやり取りを見ていると、妻が自分には見せないような幸せぶりを息子との間で見せたりするわけです。
そうすると父親は、息子に対して、もの凄いヤキモチを焼くことがあります。
「何で俺がこんな嫌な思いをしながら、こいつの飯の為に、こいつを育てるために働かなきゃならんのだ!」っていうことで、息子に冷たく当たるとか、意地悪をするとか、あるいは、そういうことをしたいという気持ちが強くなるわけです。
多少のわきまえがある父親であれば、そういう自分が息子に近づいていくことに抵抗感があるわけです。
だから、父親として、息子との距離を逆に取ろうとしたりします。
息子は息子で「父親の女を俺は取っちゃったよ」ということになりますから、お父さんのことが無意識で非常に怖くなってくるんですね。
その怖い気持ちっていうのは、お父さんに対してだけ感じるんじゃなくて、たとえば学校で、お父さんをイメージするような先生だとか、上級生だとか、あるいは同級生でも自分よりもでっかい顔をしている男の子が非常に怖く感じられたりしてくるのです。
お母さんが怖い・・・
一方、女の子の場合には、親の夫婦ゲンカに巻き込まれるスタイルは大きく分けて二つあります。
一つは、やっぱり「お父さん、お母さん、自分」という三者関係に入る図式ですね。
「お母さんに比べて私の方がずっとお父さんのお気に入りなんだ」「お父さんはお母さんには優しくないけど私には優しい」というところで、もの凄い喜びを感じるわけです。
と同時に、お母さんが、そういうことでヤキモチを焼く、そして、お母さんとの間ですごい対立関係を起こしたり、あるいはそういう対立関係になるんじゃないかと思ってお母さんのことをすごく「怖い」と感じたりすることもあります。
また、学校に行っても、女の子同士の関係というものが、男の人をめぐった三角関係になることをいつも心配して、女の子同士の仲間に入りにくいとか、女の子の中にいるよりは男の子と一緒にいた方がましっていう、そういう感じになるのが一つのスタイルであります。
男って嫌ね~!
もう一つは、「男って嫌ね~!」っていう、お母さんと娘の共同関係にはまり込むスタイルです。
つまり、お母さんと娘がタッグを組んで、お父さんだけがはじき出されるという形があります。
こういった形の問題点は、子ども側の心理にあります。
なぜなら、子供は子供自身で、お父さんとお母さんの仲が悪くなったのは「自分のせいだ」という思い込みが、通常出来上がるからです。
「自分が、お父さんとお母さんの仲を悪くすることができるんだ」と、実際以上に自分が悪い存在だって言うふうに思い込んでしまいます。
そうなってくると、自責感情の高まりとともに、自信を喪失し、子どもの年齢特有の様々な心の問題が表面化してくることがあります。
子どもカウンセリングの必要性
そういった思い込みが修正されないと、ご両親の夫婦関係がいくら改善したとしても子供の問題は相変わらず続くということがあるんですね。
そういうことがあるので、子供さんに対してのカウンセリングだとか精神療法だとか、あるいは集団療法だとか、そういったセラピーが用いられることがあります。
以上のように、子どもへの影響を考えた場合、できれば夫婦関係を良好に保っておくにこしたことはありませんね。
次回は、『夫婦仲を少しだけ良くする方法』について解説していきたいと思います。
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