皆さん、こんにちは。
家庭におけるお父さんの役割というのはいろいろありますが、子どもにとって「邪魔な存在である」というのは、けっこう意味があります。
心理学的にみても、お父さんの存在が「ちょっと邪魔だな~」っていうくらいの方が、子どもの心の発達には重要なんですね。「邪魔だ!」というのは、お父さんの存在があることで、子どもが、お母さんを独占できないという意味です。
これは親と子の「世代間境界」を保つことでもあり、健全な親子関係を築いていく上で必要なことでもあります。
「父はへそのおを断つ」という昔の言葉がありますが、「母子密着」を防ぐのは父親の役割なんですね。
スイスの精神分析医カール・ユングは、父親の役割を母子の関係を断つナイフに例えています。
母親の子どもに対する「限りない世話焼き」は、時として子どもの心の発達を妨げることがあります。
これを断ち切るのが父親の役割でもあるんですね(詳しくは「父と母の役割」を参照ください)。
父親という逃げ道も必要
もう一つ、お父さんの重要な役割は、子どもがお母さんにきつく叱られたときに避難所になれることです。
お母さんは、子どもの生活全般をみているので、どうしてもキツイことや細かいことを言ってしまいがちなんです。
決してこれがいけないわけではなく、お母さんの立場からすれば、当然のことです。
子どもにとって耳が痛いことでもハッキリ言ってくれるお母さんの役割も子どもの心の発達には必要なんですね。
ただ、そのとき、子どもが避難所にできる父親がいることが大切になります。要は、逃げ場があるということですね。
「お母さんもたまにはイライラする時もあるんだよ。でも、○○に厳しいことを言うのは、○○のことが心配だからだとおもうよ。お母さんから言われたことは一応頭の片隅に置いておくんだぞ」くらいは言ってあげたいものです。
いざ逃げていっても、逃げ場所になってくれないようなお父さんでは、子どもの心は追い詰められてしまい、逃げ道がなくなってしまいます。逃げ道のなくなった子どもは、どうなるのかというと、「自分が悪い」と自分を責めるクセがついてしまいます。
実際には、夫婦それぞれが子どもにとっての避難所になれなければいけません。
逆にお父さんに叱られたとき、お母さんが避難所になってあげる。
そうやって夫婦はバランスをとりながら子どもに接していくことが大切なのではないでしょうか。
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