皆さん、こんにちは。
パタニティブルーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは“マタニティブルー”の父親版のことです。“パタニティ(paternity)”とは“父性”を意味する英語のことです。
“マタニティブルー”は、ママの産後うつのことで、出産でホルモンバランスが乱れることが主な原因と言われていますね。
でもパパは実際に出産するわけでも、ホルモンバランスが乱れるわけでもありませんよね。
実は、ママの出産後に気持ちが落ち込んでしまうパパが急増していると言われています(父親になった男性の約10%が、子供の誕生前後にうつ状態になることが、過去の研究結果の分析から分かっています。特に、赤ちゃんの誕生から3-6カ月の父親で、うつの症状が見られる確率は26%近くに上ったと言われています)。
なぜ、パタニティブルーになってしまう男性が増えているのでしょうか。
パタニティブルーの男性が増える背景
数多い夫婦関係の中には、夫婦二人の場合はうまくいっているのに、子どもができた途端に上手くいかなくなってしまうケースがあります。
場合によっては、出産後すぐに離婚してしまう夫婦もいます。
例えば、いつも自分が相手(妻)にとって一番の愛の対象でなければ気が済まないという男性がいました。
もともとマザコン少年であったこの男性は、いつも母親に「お前がいちばんかわいいよ」と言われながら育ってきました。
結婚してからは、それを言ってくれる相手が奥さんになり、常に「わたしはあなたを一番大事にするわ」と言われながら、気分よく結婚生活を送っていました。
ところが、たまたま奥さんが妊娠し、子どもが誕生しました。
すると当たり前の話ですが、奥さんは、急に子どもに夢中になってしまいます。少なくとも子どもがとても幼いときには、子育てに夢中にならざるを得なくなります。
こういった状況で、この男性が精神的に成熟していれば(実の母親との関係に一線が引けていれば)、子育てに追われている奥さんと協力して育児に携わっていくことが出来るのですが、彼の場合はそうではありませんでした。
この時の彼の心情は、何やら母親に見捨てられた時のような、あるいは急に弟が生まれて母親の愛が一気に弟にいってしまったときのお兄さんのような心境になり、子どもに対して、あるいは妻に対して、とても苛立ちを覚えたり、子どもが泣くと「うるさい!早く静かにさせろ!子どもなどはいらない!」という気持ちになってしまうのでした。
このような苛立ちの感情が激しくなると、子どもの虐待という方向に行くことがあります。
そして、この苛立ちを強く我慢しておさえていると、「パタニティブルー」の状態に陥ってしまうのです。
つまり、子どもが誕生したことで、お父さんが無気力で何も手に付かず、育児にも不参加で仕事に行っても集中できない、頭痛や腹痛など身体的な不調を訴えるなど、軽いうつ状態になってしまうのです。
実の母親と精神的に分離が出来ていない、いわゆる「マザコン少年」がお母さん妻と結婚すれば、どうしてもこういったことが起こってしまうのです。
このようにパタニティブルーの男性が増加している背景には、実母との精神的未分離による幼さが深層心理にはあります。
父親として、自分の母親との関係を振り返ることも、パタニティブルーに陥らない、未然予防につながってくると思われます。
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