皆さん、こんにちは。
子どもが不登校になると、親も驚き、焦り、戸惑い、混乱します。
そして、学校に行けないという状況をなんとかしようとあれこれ奔走し始めます。
学校に行けなくなってしまった子ども同様、親も突然のことに混乱してしまうのは、とても自然なことで、なんらおかしなことではありません。
しかし、この混乱状態が長く続いてしまうと、いつまでたっても右往左往して方向性が定まらず、解決に向かって動き出すことができません。
不登校から抜け出したご家族を見ていると、「いかに親がこの混乱から抜け出せるか」がポイントなのではないかと思います。
不登校が始まった親の行動の変遷
① まず学校に行かせようとする
学校を休み始めてすぐは、おそらく多くの親は、まずなんとか学校に行かせようと努力します。
朝たたき起こしてみたり、学校まで無理矢理車で送迎してみたり、ご褒美を準備してみたり、宿題を手伝ってみたり…。
② 勉強の遅れをなんとかしようとする
何をしてもダメということが分かると、次は勉強の遅れを心配し始めて、なんとか勉強を続けさせようとします。
家にいてもいいから勉強(宿題)だけはやらせようとしたり、評判の良い塾や家庭教師を探してみたり、自分で子どもに勉強を教えてみたり…。
③ 誰か・どこかに頼る
その後、不登校が長くなってくると、多くの親御さんは子どもが不登校であることがある程度受け入れられるようになります。
すると、今までの「一人で何とかしなきゃ」という発想から、「一人ではどうにもできないから、誰かに頼ろう!」という発想に転換していきます。(←これが最も重要な変化です。)
この状況を打開するヒントを求めて、同じ経験をしている人のグループに参加してみたり、講演やセミナーを受けてみたり、病院やカウンセリング、適応指導教室やフリースクールなどを探し始めます。
これらの活動の中で、多くの親御さんはそれまでの混乱が収まり、徐々に落ち着いてきて、子どもと向き合えるようになっていきます。
そして、子どもの気持ちも考慮して、冷静にとるべき対応を見極められるようになっていきます。
ここまでくると、自然と家庭内の雰囲気が良くなってきます。
最初のうちは、だいたい皆さん自分一人とか家族内で何とかしようとしますが、それでは今までのやり方となんら変わらないので、状況が変化することはあまり期待できません。
そもそも不登校という問題自体が、子ども、ひいては家族全体が「今までのやり方では通用しなくなっている」という証拠です。
だから、どうしても今までとは違う新しい考え方や価値観を取り入れる必要があるのです。
それを可能にするために、「家族以外の人との関わり」が重要になってくるのです。
この変遷にかかる時間は個人差がありますが、不登校から抜け出した親御さんはだいたいこのような変遷をたどっています。
なかなか混乱から抜け出せない親
しかし、中には、子どもが不登校であることが受け入れられず、子どもに何も対応しなかったり、学校や周囲からの提案に耳を貸すことができない親御さんもいます。
このような親御さんは、自身もずっと混乱している状態が続くので、どうしたらよいかもわからず、行動することも怖くてできないので、問題がそのままずっと放置されることになり、深刻化・長期化していくことも考えられます。
プライドも高く、人が信用できないので、周囲に打ち明けたりもできません。
混乱している自分を受け入れることができないので、時に子どもを責めたり、学校や周囲を責めたりします。
子どもの気持ちを汲むことができず、「一人で何とかしなきゃ」という発想から抜け出せないので、いつまでたっても変化が起きません。
親が自分主導の対応をしている限り、子ども本人の気持ちが置き去りになり、この問題が解決に向かって動き出すことは難しいでしょう。
混乱が続いている親御さんほど、心に何かしらのわだかまりを抱えていることが多いので、出来る限り早めに専門家を頼ってご自身もお子様も気持ちを整理してほしいと思いますが、こういう親御さんほどなかなか身動きが取れません。(←だからお子様が不登校というSOSサインを外部に分かる形で出しているわけですね。)
ゴールは人それぞれ
不登校を解決する「答え」や「ゴール」は人それぞれです。
子どもが不登校になった時、一番に考えていただきたいのは、「どうしたらこの子が元気になるか」ということです。
学校に行く・行かないよりも、何よりもまずは「今、元気に生きている」ことに感謝できるようになると、親も気持ちがラクになります。
子どもの不登校に直面すると、親が混乱するのはごくごく自然なことですが、子ども達は、混乱している自分自身に気づき、そんな自分をそのまま受け入れることができる親であってほしいと願っているのではないでしょうか。
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