皆さん、こんにちは。
前回は、『反抗期における父親の3つの役割』について解説させていただきましたが、今回は『反抗期の子どもに対する父親の3つの関わり方』について具体的に解説していきたいと思います。
① 父性を表に出さない
「父性」というのは、社会のルールや善悪を教え、母子の密着を区切るという父親の役割です。
しかし、反抗期に父性を振りかざして子どもに関わってもあまり効果がないようです。
反抗期の子どもに、社会のルールや善悪を教えようとして
- 「そんなことでは、立派な大人になれない」
- 「社会で通用しないぞ!」
- 「人として良くない!」
などとお説教しようとする父親もいますが、子どもたちはもうすでに「社会のルール」や「やっちゃいけないこと」くらいは十分理解しています。
そんなこといくら言われても響きません。
逆に、「じゃ、父さんはどうなんだ?それでも立派な大人なのか?」などと言われるのが関の山です。
本来、「父性」は子どもがもっと幼い頃、母親の母性が発揮されている頃に発揮しておくべき役割です。
母子密着を自分から断ち切ろうとしている反抗期に父性を発揮しようとしても遅いのです。
② 自分の体験を伝える
子どもにとって、父親は最も身近な反抗期の体験者です。
自分の子供の頃を思い出して、「父さんがお前くらいの頃は…」と、自分の体験を包み隠さず伝えてあげるといいと思います。
お父さんの体験談や失敗談を聞くことで、子どもは
- 「父さんも同じことやってるんだ」
- 「お父さんだって完璧じゃないんだ」
- 「おやじ、全然ダメじゃん!」と知ることができます。
母親と二人きりの二者関係(2次元)だったところに、父親が登場することにより三者関係(3次元)ができるようになります。
二者関係では、自分と相手との関係しか存在せず、相手に執着をしていくことが多くなりがちです。
一方、三者関係では、より立体的に関係を築くことができるようになり、自分とは違う関係性が見えてきて、より広い視野が持てるようになります。
3次元の人間関係は外の社会と同じ仕組みなので、外の人間関係にも通用するものが、家庭内で機能するということになります。
また、
- 「自分だけじゃない」
- 「一人じゃない」
という感覚を得ることで、父親の存在を身近に感じ、安心を覚えることができます。
父親が、プライドや威厳を気にして、自分の過去をさらけ出すことができないと、子どもは父親を超えることができず、「完璧な父親」という幻想を抱き続けていくことになります。
また、この時期に父親との関わりが希薄だと、将来対人関係で悩んだり、異性との関係が築けなくなってしまう可能性もあります。
③ 一貫した対応
どんなに反抗が激しくても、父親は「最後の砦」として堂々と子どもに対応してあげて下さい。
一貫性がなく、子どもの言動に振り回されたり、ビクビクして下手に出たりすると、子どもも迷うことになってしまい、親に思い切りぶつかることができなくなってしまいます。
思春期に子どもが反抗するのは、親との関係に安心があり、それがちょっとやそっとじゃ揺るがないという確信がほしいからです。
その「確信」をサポートすることができるのは、父親だけです。
- 「安心して、思いっきり反抗していいぞ!」
- 「困ったときはすぐに駆けつけるからな」
- 「いつでも、お前の味方だ」
- 「母さんは俺が守るから安心しろ」
逆説的ですが、反抗期を早く終わらせたいと思っているなら、「どんどん反抗しろ」という姿勢を示すことが一番です。
反抗をやりきったと感じたら、もう反抗する必要がなくなって反抗期も終焉を迎えるでしょう。
その先には、いよいよ「一人立ち」が待っています。
足りない所を認め、補い合う姿勢
反抗期の子どもと向き合うことは、親としては本当に大変なことだと思います。
だからこそ、母親と父親が足並みを揃えて協力することが、反抗期を乗り越える一番の近道なのだと思います。
夫婦がお互いに「ここが足りない」と粗探しをするのではなく、
- 足りないところを認め、
- 補い合いながら協力している姿を見る
といったことを、子どもたちは一番望んでいるように思います。
母親の役割、父親の役割を上手に活用しながら、子どもの反抗期を受け止めてあげてほしいと思います。
【関連記事:『反抗期における父親の3つの関わり方』『父と母の役割』『思春期特有の寂しさは親離れの証拠』】
- 投稿タグ
- エディプスコンプレックス, 反抗期, 思春期, 父性, 甘えと自立
最新のコメント一覧