私は、保護者向けの講演会などで、お話させていただく場では、可能な限り「子育て」がいかに苦行であり、もっと評価されるべき仕事であるかを繰り返しお伝えしています。
よくお母さん方が、「子どもと遊ぶ時は、自分も子どもになる」と言いますが、自然に子ども目線に立てるということは、一つの才能でもあります。
ところが、とても残念なことに、お母さんが子どもを育てていくうえで発揮している、こうした能力や才能は、なかなか周囲には評価されません。
お母さんが子どもの世話をするのは当たり前だと思われてしまっていて、何かトラブルがあれば非難されるのに、順調な時は注目してもらえないという、非常に不公平な状況があります。
褒められれば嬉しいし、評価を受ければ張り合いが出るのが人間の本質です。
いくら努力しても誰にも認めてもらえないのでは、お母さんであっても時々子育てが嫌になっても無理はないのではないでしょうか。
子育てしかできない・・・専業主婦なんて・・・
さらにお母さんたち自身も、子育てをする能力を過小評価する傾向があるように思います。
「子育てしかできない・・・」「専業主婦なんて・・・」と、自分にマイナスイメージを抱いているお母さんも少なくありません。
以前の投稿「母業は苦行!?」でも書きましたが、一般的な仕事は、給料もあり、上司や同僚がいるので、自分の評価、仕事の手ごたえを感じることのできる場面がたくさんあります。
ところが子育てには、そういう仕組みがありませんから、とかく自分がまったく評価されていないように感じやすいのです。
社会に出て働いた経験のあるお母さんなら、なおさらでしょう。
ここに「育児ストレス」の大きな要因があるのです。
ですから、育児ストレスから脱出するためには、育児以外に趣味や楽しみを見つけ出すこと、そして他人から何かしらの評価を得ることなのです。
とっくの昔に子育てを終えた世代からすると、「そんなのはわがままだ」とか「子育て中は、自分のやりたいことは我慢するしかないのよ」と力説される方がいますが、その言葉に根拠などは一切ありません。
子育てに対して、「何かもの足りない。他の手ごたえが欲しい」と感じたとしても、そんな自分の気持ちを無理に押さえつけないで欲しいと思います。
また、お母さんにとって、手ごたえの得られるものを探しに出てみることも良いと思います。
ただ、時にはお母さん業がなかなか才能のいる仕事だということを思い出して、少しは自分をほめてあげることも忘れないで欲しいと思います。
最新のコメント一覧