皆さん、こんにちは。
「心理カウンセリング」と聞くと、どんなイメージを抱きますか?
日本では、カウンセリングとは「心を病んでいる人がいく場所」というイメージがあり、まだ敷居が高い存在ではないかと思います。
ある程度の悩みごとがあっても、「カウンセリングを受けるほどではない」と自分に言い聞かせて、ひとりで何とかしようとする人も多くいます。
ところが、アメリカなどの海外ではカウンセリングのイメージは日本と随分違っているようです。
海外ドラマや映画でもよくカウンセリングを受けているシーンが出てくるように、カウンセリングを受けることは日本に比べると敷居が低く、風邪をひいたら病院に行くのと同じくらい気軽に多くの人がカウンセリングを利用しています。
J-NETの市場調査データによると、アメリカでは42%の人が心理カウンセリングを利用しているのに対し、日本ではたったの6%の人しか利用していないそうです。
心理業界ではよく「日本はアメリカに10年遅れている」と言われますが、この辺りもその差をよく表しているのではないかと思います。
保険が適応する
一番大きな違いは、保険の適応だと思います。
実は、アメリカでのカウンセリングの相場は8千円で、日本の相場(5千~1万円)とあまり差はありません。
しかし、アメリカではカウンセリングは保険適応ができて、実際は2,3千円前後でカウンセリングが受けられます。
一時間2~3千円だとしたら、間違いなく受けやすいですよね。
日本での一般のカウンセリングの保険適応に関しては、目下議論がなされており、2018年に公認心理師という国家資格ができたりと、着実に保険適応に近づいていると思われます。
しかし、保険適応になると利用者の数も格段に増えることが見込まれ、現段階ではカウンセラーの数が圧倒的に不足していることも間違いありません。
そのうえ、1回のカウンセリングは平均1時間なので、カウンセラー1人が一日にこなせるカウンセリング数には限りがあります。
この辺りもなかなか議論が進まない要因の一つなのかもしれません。
※ おやこ心理相談室では、いくつかの企業とEAP業務委託させていただいており、それらの企業と契約がある企業や団体に所属している際は、無料や低額でカウンセリングがご利用いただけます。(利用回数や利用条件は企業によって異なります。)詳しくは、こちら。
カウンセリングは普通の事?恥ずかしいこと?
中には、カウンセリングに通うことを「恥ずかしいこと」だと思っている人もいらっしゃると思います。
しかし、体の調子が悪くなって病院に行くことや、肩こりや腰痛改善のためにマッサージを受けること、ヘアサロンやネイルサロンに通うことを恥ずかしいと思う人は少ないでしょう。
米国ではカウンセリングに行くことは、生活の一部、ごくごく普通のこととして認識されています。
では、米国の人はどういう理由でカウンセリングを受けているのでしょうか。
多くは「心を病んでいるから行く」というよりは、「心が病む前に」「心を病まないために」カウンセリングを受けているのです。
日本は治療、米国は予防、というわけですね。
日本でも、定期的に行う体や髪や爪のメンテナンスと同じくらい気軽に心のケアを受けて、心の調子をメンテナンスしていただけるといいなと思います。
何を話したらいいか分からない
カウンセリングがまだ浸透していない日本では、当然の質問です。
「何を話したらいいか分からない・・」
「些細なことで相談に乗ってもらっていいの?」
「漠然としたストレスぐらいで行っていいの?」
答えは全部OKです。
「夫(妻)とケンカした」
「文句を言われて腹が立った」
「よく分からないけど、気持ちが沈む…、イライラ・モヤモヤする」
「テストの前で気持ちが焦る」
「子どもが何を考えてるのか分からない」
全て、大丈夫です。
一見些細に見えることでも、紐解いていくと、ご本人の考え方や受け取り方の癖や傾向が見えてきたり、話していくうちに気持ちの整理ができてきたり、最初は興奮していてもだんだん心が落ち着いてくることがあります。
当相談室では、精神分析的心理療法をメインにしております。
簡単に言うと、「心に浮かんだことをそのまま言葉にする」というアプローチです。
ご相談者様がご自身を振り返り、ご自身と向き合い、ご自身で選び決断してゆくお手伝いをします。
悩みは悩みのプロに任せる、という風潮
心の専門家になるためには、米国では心理学の博士号(州立資格)を取得しなければならず、最低でも10年かかります。
日本でも臨床心理士(民間資格)や公認心理師(国家資格)になるためには大学院を卒業しなければならず、最低でも6年かかります。
そのうえ、資格の更新には毎年決められた数の講習を受けなければなりませんし、新しい概念が誕生することもしばしばあり、日々情報取集と勉強が必要です。
どの世界でも同じことですが、やはりその道にそれだけの時間と労力をかけたプロは、プロにしかできない仕事をするので、素人にはかないませんよね。
皆さんも意識せずとも、歯が痛いときは歯医者さん、水漏れが起きたら水道屋さん、家を修理するときは大工さん、とプロを賢く選んで利用しています。
それと同じように、悩みがあるときは悩みのプロに任せる、という風潮が海外にはごく自然にあるようです。
米国では、学校はもちろん、企業にもカウンセラーはいますし、かかりつけのマイカウンセラー(俗語でshrinkと言います)を持っている人も少なくありません。
かかりつけカウンセラーを目指して
おやこ心理相談室が2013年の開業時から「かかりつけのカウンセラー」「マイカウンセラー」という言葉を打ち出して、もう少しで10年になります。
米国の心理業界に追いついているかどうかは定かではありませんが、確実に近づいていることを実感しています。
嬉しいことに、「心のケアに関しては、何かあったら「おやこさん」のところ!」と思い出して、ご来談いただけるご家族もいます。
皆さんが胸を張って「ウチにはかかりつけのカウンセラーがいる」と言えて、「かかりつけのカウンセラー?いいね!」と周囲にも思っていただけるような時代がくることを願っています。
おやこ心理相談室は、これからも一人でも多くの悩みに寄り添い、皆様が抱える苦しさや辛さが理解できるよう、これからも日々精進して参ります。
参考文献:cotree
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