皆さん、こんにちは。
「やりたい」とか「やらなきゃ」と思っていても、怖くて最初の一歩がなかなか踏み出せないということはありませんか?
もしくは、やりたいこと・やるべきことに対して、不安が募って、思うように動けなくなってしまうことはありませんか?
例えば、クラスメイトに自分から声をかけるとか、クラスの役員に立候補してみるとか、テスト前にすごく不安になって思うように実力が発揮できないとか…。
お父さん・お母さんで言えば、やりたかった新しいことを始めるとか、会社で新規事業のリーダーに立候補してみるとか、学校の懇談会に参加するのが怖いとか…。
「カウンセラーに相談する」というのも、そのうちの一つではないかと思います。
誰にとっても、行動することや変化することは「怖いこと」に違いありません。
ホメオスタシスとは?
実は人間には、外部の環境にかかわらず一定の状態を維持しようとする機能があります。
これを、難しい言葉で「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」と言います。
ホメオスタシスは、身体的にも心理的にもあなたの体を外因から守るために働きます。
例えば、周囲の気温が高くなったり低くなったりしても、体温がほぼ変わらないのは、身体的なホメオスタシスが働いているお陰です。
ダイエットを頑張っても、なかなか体重が落ちないのも、ホメオスタシスが今までの体形を維持しようと頑張っているからです。(☜ダイエットをサボっているせいではありません。)
また、勉強する習慣がつかないのは、心理的ホメオスタシスが今までの習慣を維持しようと働いているからです。(☜だから、お子さんが悪いわけではありませんね。)
新しいことを始めることが不安だったり怖いのも、実は、心理的ホメオスタシスが働いて、正体不明の新しいことへ向かっていくことにブレーキをかけているのです。
ホメオスタシスは、あなたにとって心地よい状態を常に維持する、あなたを守る騎士のような存在ですね。
しかし、「新しい事を始めたい」とか「自分を変えたい」と思っているときは、ホメオスタシスが「ブレーキ」になってしまう一面があります。
変化を拒み、今の状態を維持しようとするホメオスタシスを理解して、「維持」と「変化」のバランスを取れるようになれば、今よりもラクに「動ける」ようになるかもしれません。
ホメオスタシスの解除法
「不安や恐怖が強くて、最初の一歩が踏み出せない」という方は、それはあなたが悪いわけではなく、勇気が足りないわけでもなく、ただホメオスタシスが働いて今までの状態を維持しようとしているだけです。
動けるようになるには、行動にブレーキをかけているホメオスタシスを解除すればいいのです。
ホメオスタシスの解除法はいくつかありますが、ここでは特に「不安や恐怖が強くて動けないときの対処法」として3つご紹介します。
① 不安や恐怖の正体をはっきりさせる
不安や恐怖が強いときの大半は、実は恐れているモノの正体がはっきりしていません。
ただ漠然と不安であり、怖いのです。
言い換えるならば、お化け屋敷の前に立っているようなものです。
お化け屋敷は、どんなお化けがいて、どんなタイミングで出てきて、どんな怖がらせ方をするのかが全て分からないから怖いのです。
日常の不安や恐怖に対しても同じことで、正体不明だから怖いのです。
そして、そんな怖い相手に向かっていくことを、ホメオスタシスが許してくれるはずもなく、結果的に現状維持を選んでしまうのです。
逆に言えば、どんなお化けがいて、どんなタイミングで、どんな怖がらせ方をするのかが分かれば怖くないので、怖くない相手はホメオスタシスも許可しやすいのです。
こんなお化け屋敷はまったく面白くありませんが、日常の正体不明の不安や恐怖に対しては、これでいいのです。
不安や恐怖の正体をはっきりさせるために、その感情と客観的に向き合ってみましょう。
- 何が不安・恐怖なのか?
- なぜ不安・恐怖なのか?
- それらは、いつ来るのか?
- それらは、どこから来るのか?
これらをはっきりさせることで、対策が取れるようになります。
正体を踏まえたうえで、その行動を取るメリットとデメリットを考えてみるとさらにその行動を後押ししてくれます。
② コンフォートゾーンを広げる
ホメオスタシスが維持しようとする状態のことを「コンフォートゾーン(快適な領域)」と言います。
ホメオスタシスはコンフォートゾーン外の活動に関して目を光らせているので、コンフォートゾーンをすこ~しずつ広げていくことが有効です。
コンフォートゾーンを広げるためには、日常の習慣を少しずつ変えてみることです。例えば、
- いつもとは違うレストランに行く
- いつもとは違うメニューを食べる(作る)
- いつもとは違う洋服を着る
- いつもとは違う道を通ってみる
- いつもとは違う音楽を聴く
- いつもとは違うゲームをする、などなど。
不安や恐怖を感じる一歩手前くらいの、ちょっとしたことからスタートするのがコツです。
③ 少しずつ、ちょっとずつやる
最も大事なポイントは、焦らずゆっくり少しずつやることです。
ホメオスタシスが気付かないくらい、ゆっくり少しずつ続けることです。
その行動に慣れるとホメオスタシスは自然に解除されていきます。
もし、ホメオスタシスに見つかって、上手く行かないことがあったとしても、それはそれで良いチャレンジだったことに違いありません。
「次はどうやろう?」と、前向きにとらえて、ホメオスタシスの解除を楽しんでください。
おやこ心理相談室では、ホメオスタシスの解除についてもご相談を承っています。
お子様やご自身の心にブレーキがかかっていると感じているならば、おやこ心理相談室を、是非ご利用ください。
誰にも遠慮することなく、本来の力が発揮できるようサポートさせていただきます。
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