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先日、群馬県学校臨床心理士会主催の研修会へ参加してきました。
テーマは「子どもの認知行動療法」というもので、近年注目を浴びている技法のひとつです。

b812060940e96bee1a0bfe4873abaf91_sこの研修会に参加させていただいて、私が感じたことの一つには、親も子どももこの認知行動療法スキルを身につけることで、ストレス反応に強くなり、うつ病やその他の精神疾患の未然予防につながるということです。

この療法の特徴は、①出来事気持ち考え行動を一つ一つ整理し、全てがつながり、影響しあっているという考え方にあります。

実際、学童期から思春期くらいまでの子ども達は、「何だかわからないけど、イライラする。不安になる」とただ漠然と訴える一方で、リストカットや過食嘔吐などの問題行動を起こしてしまいます。いくら周りが「やめなさい!」と行動を制御したとしても、全く意味がありません。

リストカットや過食嘔吐という行動でしか、自分の辛さを表現できないことに問題があって、それらの行動以外の方法で辛さを表現するスキルを学習していく必要があるのです。

そのスキルの一つに、この認知行動療法があります。

漠然としたイライラや不安を①~④に当てはめながら整理していくのです。ここでは詳しく説明はしませんが、大切なことは、①~④に注意しながら日常生活を送ることで、メンタルヘルスが可能になるということです。

“考え方を変える”というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、変えるというよりは、言葉にならない気持ちの背景には、「こういった考え方があったから、こういう気持ちにつながっていたんだ」ということにまずは気が付けることが第一歩になります。

これができるだけでも、悪循環を断ち切ることができます。

以下に、プチ認知行動療法が体験できる質問項目を用意しましたので、是非チャレンジしてみて下さい。

  1.  どんな出来事が起こりましたか?
    例)
    「子どもが部屋を片付けない」「算数で50点を取ってきた」
    「仕事で上司に怒られた」「友達に無視された」 など
  2. その時、どんな気持ちがしましたか?
    例)イライラ、不安、怖い、憂うつ、嬉しい、恥ずかしい、さみしい など
  3. その時、どんな考えを持ちましたか?
    例)
    「小学生・中学生なんだからこれくらいできて当たり前でしょ!」
    「今の学校の成績だと将来仕事につけないかも?」
    「いい大人が人前で泣くべきではない」
    「何事も完璧にやらなければいけない」
    「不安に飲み込まれてしまう!」 など
  4. その時、どんな行動をとりましたか?
    例)
    「子どもを怒鳴り散らす」「勉強を嫌がる子どもに無理やり勉強させる」
    「過食嘔吐やリストカットで気分を紛らわす」 など

3e2cfc1c98933e8880c53f1271791313_s当相談室では、お子様および保護者向けに、これらの内容を含んだ心理学講座を開催しています(詳しくは『各種セミナー』へ)。

親御さんが、子どもと接する際に①~④を意識して、子どもに働きかけることによって、感情のコントロールが自然と身につくようになります。

言語化が難しい幼少期のお子様でも、親御さんが①と②を代弁してあげるだけでも効果はあります。

「お友達におもちゃを貸して欲しかったけど、貸してもらえなかったから(出来事)、イライラして(気持ち)、手を出してしまったんだね行動」という具合に周りが子どもの気持ちを代弁してあげるだけでも気持ちが整理されます。

まずは、親御さんご自身でも日常生活の中で、イライラした時や不安に思うときなどに、①~④を振り返って、整理してみるといいかもしれません。

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