皆さん、こんにちは。
心理カウンセリングというと、話を聞いてもらうだけという印象をお持ちの方も少なくないと思います。
確かに私たちは皆さんのお話しをじっくりとお聞きします。
しかし、ただ皆さんのお話しをお聞きするだけではありません。
皆さんのお話の流れを捉え、その全体像と本質を見極めることにより、皆様の置かれている状況を客観的かつ的確に捉えてゆきます。
症状の裏側に隠されたメッセージとは?
皆さんのお話の中から読み取ってゆく大切なものの一つとして、『症状の裏側に隠されているメッセージ』というものがあります。
例えば、過食や拒食、うつ病、不登校、リストカット、アルコール依存、家庭内暴力など、心の問題を原因とした症状は様々な形をとって表れてきます。
これらはどれも一見「問題行動」にしか見えないかもしれませんが、これらの症状の裏側には、必ず何らかの「メッセージ」が隠されているものなのです。
個人的な意見になりますが、人の行動には、全て何らかの意味があり、無駄なことはないと思っています。
また、人がネガティブなものだと考えやすい感情(怒り、不安、寂しさ、憂うつ、悲しみなど)も、私たちにとって大切なサイン(SOS)なのです。
例えば、(大人の場合であれば)上司に対する怒りに震えているとき、その肩越しに親への怒り、そして子どもの頃の家庭内での悲しみが隠されているかもしれません。
そして、その怒りは自分を守ろうとする力になっているのかもしれません。
息子がバットで壁をたたき壊していたり、娘が食べ吐きを繰り返しているとき、実はそのおかげで冷えきっていた両親の関係が一時的に回復し、息子や娘以外の家族の結束が生まれているかもしれません。
リストカットや自殺未遂の裏側には、満たされなかった親からの愛情に対する必死の訴えが隠されているのかもしれません。
一緒に考え、一緒に探っていく
『症状に隠されている本当のメッセージ』それを知るところから、問題の解決は始まります。
しかし、通常それらを知るのは本人だけでは相当困難なことです。
私たちは、そのような皆さんの必死のメッセージを受け止め、本当の意味、そして心の深い部分に隠されている原因を探ってゆきます。
私たちが行うのは、決して犯人探しではありません。
原因を作った張本人を突き止め、責めても得られるものはあまりありません。
あくまでも本人がラクになり、本当に自分らしく生きられるようになることが、心理カウンセリング(心理療法)の目的なのです。
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