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皆さん、こんにちは。
以前のコラムでも取り上げましたが、親の何気ない一言が子どもの心を支配し、子どもの自尊心を奪い取ってしまうという話をしてきました。

子どもをけなすような言葉や子どもの存在を否定するような言葉は、子どもの心を容易に傷つけることは想像がつくと思います。

しかし、あからさまにけなしたり否定していなくても、毎日繰り返される会話の中で、知らず知らずのうちに、子どもの心に侵入し、子どもの自尊心を奪い取っていく言葉があります。

それが今回のテーマである『ほ~ら、見たことか!』です。

“僕は必ず失敗する” 高校3年生A君

今回は高校3年生男子A君のケースを紹介しながら解説していきます。

A君は、小学校時代から肝心な時に失敗をしてしまうことが度々ありました。

運動会の徒競走やマラソン大会、発表会などでも、練習時では結果が出せるのに、本番になるといつもヘマをしてしまうのです。

中学校時代も、部活や期末テストでは結果が出せず、やはりいつも失敗してしまうのでした。

A君は、いつしか「僕は、いくら努力しても結果は出せない。僕は必ず失敗する・・・」という少し歪んだ認識が出来上がってしまいました。

そんなA君は高校入学後、徐々に学校に行けなくなってしまったのです。

失敗が怖くなってきてしまい、学校での活動や試験、発表会などの数日前には必ず腹痛や頭痛など身体症状を訴えるようになり、休むことが多くなっていったのです。

何とか高校2年生までは休みがちでしたが、登校はできていました。

両親のくちぐせ?

ところが、大学受験を控えた高校3年生の2学期には、ついに身体が動かなくなってしまい、学校へ行けなくなり、慌てた両親が私のところへ相談にお越しになられたのです。

実は、A君が幼少期の頃から両親の口癖が、「ほ~ら、みたことか!」だったのです。

しかも、その口癖を発するタイミングが、必ずA君が何かしらの失敗やミスを犯した時だったのです。

この言葉を失敗を犯した度に、繰り返し言われ続けることで、A君の頭の中には、「僕は肝心な時に必ず失敗する」という誤った信念が根付いてしまっていたのです。

無意識の人生計画書 ~人生脚本~

A君の誤った信念を心理学用語では、「人生脚本」と言います。

この「人生脚本」は、「無意識の人生計画書」とも呼ばれていて、その人の生き方のパターンを決めるものです。

例えば、恋愛や人間関係で「いつも同じパターンでうまくいかない」とか、「結局、いつもこうなってしまう」というパターンのことを指していて、その背景には、自分ではなかなか気付くことが難しい「無意識」が影響していると言われています。

しかも、この人生脚本の大まかな筋書きは、6~7歳頃には作り上げられると言われています。

そして、この筋書きの材料となるのが、一番身近な存在である親からの言葉なのです。

A君の場合も、もれなく「人生脚本」が作り上げられ、それに沿う形で人生のパターンが出来上がっていました。

A君は、表面的には「幸せ」や「成功」を強く求めていますが、この幸せや成功が実際に近づいてくると、自分からあえて失敗や問題を起こし、そこから逃げ出そうとしてしまうのでした。

なぜなら、A君の無意識内に繰り返し書き込まれた親の言葉「ほ~ら、見たことか!」が常に頭の中を占領していたからです。

自分ではよく分からないのに、「いつもうまくいかない。いつも同じパターンの繰り返しだ」などの悩みや苦しさを抱いている方は、一度自分の「人生脚本」を振り返ってみるといいかもしれません

一人で取り組むことが難しい際は、専門家と一緒に取り組んでいけるとリスクも少なく、安全に行うことができるでしょう。

親によって書き込まれた人生脚本であっても、まずはそれに気づくことで、今度は自分の力で「人生脚本」を新たに書き換えていくこともできるのです。

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