皆さん、こんにちは。
前回は、子どもの家庭内暴力への対処法として基本的なスタンスについて解説しました。
今回は「子どもが起こす様々な問題行動への対処法」と「親御さん自身の身の安全の確保の仕方」について解説していきたいと思います。
後始末は自己責任
子どもが親に向かって暴力を振るう以前に、物を壊すとか、水道の蛇口からホースを引いてそれで床を水浸しにするとか、壁を壊してしまうなどの暴力行為が起きることがあります。
そういった場合に、親御さん自身が後始末をしてしまうことがあります。
親御さんの気持ちを考えれば、仕方がない対応かもしれませんが、答えはNGです。
何らかの形で後始末を子どもにさせて下さい。
ただし、叱りつけてやるということではなく、「こういうことが習慣になってしまうと、あなたが大人になって社会に出ていく時に、通用しない人間になってしまう心配がある」、「そういうことじゃ困るから、ガラスを割ったんだったら、後片付けくらいはちゃんと自分でしなさい」と、淡々と伝えることです。
「床を水浸しにしたんだから、そのままにしたら床が腐ってきてしまう。家族が安心して住めなくなってしまう。だから、ちゃんと床を拭きなさい」と。そういうことを言って、子どもを諭す必要があります。
ここで大切なことは、子どもがそれに応じるかどうかではなく、親として子どもに立ち向かおうとする姿勢がポイントです。
なぜなら、必ず子どもは自分が取った行動の後に、親がどういう対応を取るのかか、よく観察しているからです。
身体的な危険を感じる時
こういったやり取りを繰り返していくと、子どもがいよいよ興奮してきます。
つまり、親に対する直接的な暴力の可能性が高まり、親自身も危機感を抱き始める時です。
「実際に殴られるかもしれない!」「骨を折られちゃうかもしれない!」「大怪我をするかもしれない!」という危険を感じたら、すぐに逃げて下さい。
とにかく、親御さん自身がケガをしないようにして下さい。
もしも子どもが親を殺してしまったら、その子どもの一生は終わったのも同然です。
そういった意味では、親からすると、子どもに殺されてしまうということは、子どもに対する最大限の仕返しになるわけですね。
ですから、子どもの暴力によって、大きなケガをするとか、殺されてしまうというのは、絶対に避けなければいけません。
そのためには、警察に駆け込むという選択肢も持っておいて下さい。
親御さんの中には、「警察沙汰にすることで、近所に対するメンツが壊れてしまって嫌だ」と思われる方もいるかもしれませんが、それ以上に大事なことは、自分たちの大切な命と子どもの大事な一生を守るということです。
ですから、警察も使うべきところでは是非使って下さい。
自責の念でいっぱい
子どもが親に暴力を振るっていて、本当に幸せだと思う子どもは一人もいません。
興奮している真っ最中は、暴力を振るってしまうかもしれませんが、暴力が収まった時には、必ず自責の念でいっぱいになります。
繰り返しになりますが、親は子どもの暴力を受けてはいけないんですね。被害者になってはいけないということです。
親としてやれることは、子どもが興奮して暴力を振るっても親は身体的な損傷を受けないということ、ましてや命を落とすようなことは決してあってはならないということです。
その為には、速やかに「逃げる」という選択肢を取ることを忘れないで下さい。子どもにとって一番こたえる親からの攻撃とは、親が姿を消すことなんですね。
子どもの暴力がどうにもならない時ほど、まずは物理的に子どもから距離を取ることも考えてみて下さい。
対応等に不安がある場合は、是非、おやこ心理相談室にご相談ください。
親御さんとお子様にとって、最良の選択肢を選んでいけるよう一緒に考えさせていただきます。
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